「これまでの合意が最善だと…」
さて、吃緊の普天間基地問題については、嘉手納基地統合案を口にし、一説によれば固執していると伝えられる大臣だが、「とりあえず検証することが大事」といった感じで、そうこだわってるようには見えない。過去の政府間合意は重要であり、ゼロベースからの見直しで時間をかけて、その間危険な普天間を放置することはできない的なことを言うあたりは、名護市辺野古への移設を推進しているようにも聞こえた。
途中、米国のオバマ大統領の最新インタビューが挿入された。「新政府(鳩山政権)は検証の結果として、これまでの日米合意が最善だと判断すると信じている」。国防省筋だけでなく、ついに大統領直々にプレッシャーをかけてきたのだった。昨今は国内の人気低下が伝えられる大統領だが、表情には精彩があり、語り口は相変わらず力強かった。もっとも、そうした印象は、「対照」によってかなり強調されていたのはたしかである。
ボンド柳生
* NHKクローズアップ現代(2009年11月10日放送)