<テレビウォッチ> 誰が市橋達也容疑者に逃走資金を出しているのか――。親類だ、闇の組織・ネットワーク、売春しかないetc。さまざま憶測が飛びかったが、フタを開けてみれば、少なくとも最近1年間は会社がサラリーを出していたのだった。
その建設会社員生活をふりかえるなかで、大きく取り上げられたのが「号泣」のエピソード。番組によると、こういう顛末だ。仕事で上司にあれこれ指示されてストレスがたまっていたのか、市橋は会社の前で(誰かの)胸ぐらをつかみ、ケンカになった。周囲の人たちにとめられたが、そのときに「下手に殴ったりして相手が死んだらどうする。そういうこともあるんだよ」と言われると、泣き出したのである。
「頭のなかには被害者の死があったのかな」と、私見陳述積極派リポーターの高村智庸。「容疑者は(容疑の死体遺棄だけでなく)殺害した可能性も高い。そのときのことが甦って良心の呵責に襲われたのでは」と作家の若一光司が続く。小木逸平アナは「逃亡生活の疲れというか、心の叫び」を感じた。
そこに、満を持した感じで、大沢孝征弁護士が口を開く。いつも「本物の悪党」には手厳しいセンセイは、妙に猫なで声で呼びかけていた。「君は(時効まで)あと22年間、逃げ切るつもりなのか。長いよ。服役して罪を償ったほうが、もっと心安らかな生活ができる」
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト