「女優という生き物」
しかし彼女のようなタイプの女優さんは少なくないことを、仕事をしていくうちにわかってくるようになった。どうも、自分の名前を事務所にしている芸歴40年を越えるような大女優さんクラスに確率が高いように思える。
業務連絡が二転三転する、人前で自分のスタッフをぞんざいに扱う、スタッフをタクシー運転手だと思っておりプライベートの外出まで引き連れ回す、番組の出来不出来をスタッフに責任転嫁する……など、女王様ぶりエピソードが何人かの女優さんのエピソードとしてあちらこちらから聞こえてくる。
私の知人でもマネージャーや付き人で、円形脱毛症に何度もかかる、うつ病になる、パニック症候群になる、過食症になる……など悲惨な状況になっている人が何人かいる。イメージとは裏腹の女優の素顔におぞましくなってしまう。
そんな話を、元俳優で現在は脚本家として活躍している人物に話をしたところ「女優は人間じゃない。女優という生き物だからね。」と言い放った。
女優さんと一緒に仕事をするときは、彼女だって1人の人間だからと思って接してはいけないよ――。この話を聞いてからは、女優と一緒に仕事ができるとはしゃいでいるバラエティースタッフを見ていると、知らぬが仏という言葉の意味をかみしめる。
モジョっこ