<テレビウォッチ>「必殺事業仕分け人」が仕事を始める前に、バッサリ切られてしまった感じだ。行政刷新会議において予算のムダを洗い出すべく、事業仕分けメンバーに選ばれた民主党の新人議員がすべて外されたのである。
起用された新人たちを、鳩山首相が「必殺事業仕分け人」と励ましたにも拘わらず、小沢幹事長が「聞いていない。1年生議員にはムリだ」と異を唱えたからだ。結局、仙谷行政刷新相が「配慮が足りなかった。申しわけない」と幹事長に詫びを入れ、メンバーを選び直し、事業仕分け作業は再スタートを切ることになった。
みのもんたは、幹事長の横やりが気に入らない様子で「どこか違和感を感じざるを得ない」と、コメント陣に振る。
北川正恭(前三重県知事)は「民主党が目指すのは意思決定過程をオープンにする手法。新人でもオープンにすればできる。むしろ国民の目に見せることが官僚にとっては困る。小沢さんの手法がずれている。総理総裁が断固として行く必要があった」と言う。さらに北川は「オン・ザ・テーブルですよ。テーブルの上で議論する習慣を身につけて行かないと談合とか闇になる」と指摘した。
与良正男(毎日新聞論説委員)は、行政刷新相の調整不足だったことは確かとしながら、「今の状況をみると民主党の抱えている危うさが見えてきてしまう。小沢さんと鳩山さんをどう調整するのか」と述べ、以下のように説明を進めた――小沢さんの本音がよくわからない。そうしたときに、20年間ずっと、小沢さんの側近、周辺といわれる人が「小沢さんはこう考えている」と通訳する。それがどんどん拡大して一種また神話をつくってしまう。そこに嵌り込むとこの政権はとても危ない。今回、いい勉強をして解消しないと毎回、同じ繰り返しになる――
やはり『二重権力』は命とりになりかねないようだ。