<テレビウォッチ>攻守ところを変えての国会論戦が始まった。野党となった自民党が下手に突っつけば、前政権の問題が出てくる。つまり話は「自分」に返ってくる。言葉と表情の攻防だから、やっぱりテレビは面白い。
谷垣自民党総裁「概算要求の歳出規模が100兆円に迫る。これに口を拭っているのは極めて無責任だ」
鳩山首相「(今年度)102兆円の補正と合わせた予算を提出されたのは、どちらなんでしょうか?」(拍手)
谷垣「国のあるべき姿についてのビジョンがない」
鳩山「あなた方にいわれたくない。こんな財政にしたのは誰なんだ」(拍手)
谷垣「子ども手当や高速道路無料化で景気対策というが、他の歳出削減とトータルでみれば、景気を冷え込ませることになる」
鳩山「暮らしの豊かさに力点を置いた人間のための経済を目指す。子ども手当などと歳出削減で、家計が潤い消費が増加する」
谷垣「むやみやたらな政治主導は、政治暴走になりかねない」
鳩山「いままでがあまりに官僚に頼り過ぎ。政治主導とは、政治家が責任を取るということだ。暴走だとは思っていない」
マスクをかけた安倍、にやにや見守る麻生の両元首相の映像もチラリ。
小倉智昭が、「谷垣さんは、質問の仕方では墓穴を掘るぞと思ってみていたら、墓穴掘りまくってましたね」(笑い)
そこがいちばん面白いところなのだが、なぜか深く論ずることなく、笠井信輔は、「官僚に頼り切っていた、という話がありましたが……」と、話を日本郵政の人事にもっていってしまった。社長と副社長2人に元官僚が座ったことを指すのだが、これは本来別の話。
代表質問では、首相の「マニフェストが達成できなければ責任を取る」などの発言もあったし、菅直人副総理の切り返しもあった。また、まだ野党の立場がのみこめない自民党の様子とか、きのうの今日という、面白さが出ていない。
新聞はちゃんと書いているのだが、政治面なんか誰も読むまい。だからこそテレビの出番だろうと思うのだが、この辺りがやっぱり限界か。