<(上)から続く>朝日は、予算規模が95兆円超になってしまったことに腹を立てた編集長と担当記者が、「どうしたんだ!民主党」と怒りを露わに対談している。こうした庶民と同じ目線での素朴な憤りこそ、週刊誌の持ち味のひとつである。
新潮は「ワイド特集 『鳩山政権』不協和音」と謳って、13年間飼っていた犬のアルフィーが、総理に就任した日に亡くなって、鳩山夫人は「ペットロス」になってしまった、亀井静香はチェ・ゲバラの信奉者、長妻厚労相が激やせしているなど、民主党内のこぼれ話を拾っている。こちらも、主要官庁等2010年度予算の概算要求が95兆381億円になったことを取り上げ、「民主デタラメ予算で日本の終わりの始まり」と慨嘆している。
リーダーシップはどこに?
麻生政権下で出た概算要求に、マニフェストの目玉公約分を上乗せしただけの膨らみきった金額が、やがてとんでもないことになると識者たちは指摘する。
「この先数年は、今年のような景気低迷が続く。その一方、毎年50兆円近い赤字国債を発行しなくてはならない状況ならば、さらに日本の財政は悪化します。財政赤字を解消するために残された道は、消費税アップしかなくなるでしょう」(霧島和孝・城西大現代政策学部教授)
文春によると、藤井財務相は、ムダ遣いを撲滅できない「無能」な大臣の烙印を、この人間たちに押したという。子ども手当だけで2兆円必要なので致し方ないところはあるが、当初予算より3兆7000億円も増えた長妻厚労相。子ども手当を地方に負担をさせないと頑張っている原口総務相。農水分野に詳しくなく、官僚のコントロールがききやすいため、コメに限っては、農家への個別補償制度を前倒しして、予算を2000億円オーバーした赤松農水相。
こうした中、リーダーにはよほどの覚悟が求められるはずだが、鳩山首相は、「私はコンダクター(指揮者)的な役割で、一番大事なことは、ハーモニーがキレイに奏でられること」だと、記者たちに話しているというのだ。安倍、福田、麻生に続いて、政権が変わっても、強い覚悟とリーダーシップを持って、この日本を引っ張っていこうというリーダーは出てこないようだ。
酒井法子の初公判と復帰計画
10月26日、数十枚の傍聴券を求めて1万人以上が並ぶのではないかといわれている酒井法子被告の初公判が開かれる。
この件に関しては、どの週刊誌も扱ってはいるが、所在不明、新しい情報がないために、読むべき記事がない。その中では、文春の「のりピー中国から届いた1億円のオファー『アジア復帰計画』をスッパ抜く」がやや注目。
「中国からなんと、1億円で出演オファーが来たのです。4、5曲歌って、インタビューに応じて欲しいという内容のものでした」と、彼女の前の所属事務所サンミュージック関係者は話す。酒井の人気は、ジャッキー・チェンやコン・リーと肩を並べる人気なのだそうだ。
面白いのは、中国の有力紙「中国青年報」でネットアンケートをとったところ、4440票のうちの半分に当たる2145票が「彼女を許すべきだ」と出たという。
それでなくとも、ヘア・ヌードの商人高須基仁氏が仕掛けるヌード写真集と告白本計画など、本人の意志とは関係のないところで進む復帰計画もあり、執行猶予は間違いないとされる酒井被告の「優雅な復帰」は、以外に早いかもしれない。しかし、問題は覚せい剤の常習性である。
「日本中央競馬会(JRA)の元騎手田原成貴容疑者(50)=京都市=を覚せい剤取締法と大麻取締法の違反の疑いで逮捕していたことがわかった」(10月22日「アサヒ・コム」より)とある。田原は、私の好きな華のある騎手だったが、2001年に覚せい剤取締法違反で逮捕されてしまった。その彼が再逮捕。覚せい剤で逮捕された芸能人の再犯率は7割にもなる。酒井被告にとって、芸能界復帰よりも難しいのは、覚せい剤と手を切れるかというところのあるようだ。