<テレビウォッチ>日本郵政の西川善文社長がきのう(10月20日)、辞意表明の会見をした。中身はともかく、スチルカメラの騒音がひどかった。ガチャガチャ、ピカピカ、「イライラしてますねぇ」と、長谷川豊の声が入る。当たり前だろう。とにかくひどすぎた。
長谷川は「部屋が小さすぎた」といったが、カメラマンは、並んでイスに座っているライターの周りやあいだ、さらに前にまで座り込んで、それこそ社長の鼻の先でポカポカやるのだから、たまらない。
「カメラがうるさい」「話せない」、とうとう「やめようか」とイスから立ち上がりかけて、担当職員に「しっかりコントロールしろよ」「カメラが動かないと話せない。始めない」
ようやく収まって、話し始めた。「私は本日辞任を決意いたしました。で、この……」と顔をあげたとたんに、またガチャガチャ、ピカピカ。社長は、「出て行ってくださいよ。こんな近くでガチャガチャやられたら、頭の悪い私が混乱しますよ」と、チラと薄笑いの表情を見せた。
西川社長がいいたかったのは、「これまでやってきたこととこれからやろうとすることとの間に大きな隔たりがあるため」という理由だった。
西川社長は、長谷川の質問に「かんぽの宿など反省すべき点はあったが、不正はなかった。これが辞任の理由になるとは思わなかった」。「思い残すことは?」には、「品質の向上といった点で相当な実績をあげることができた」と。最後に「やり残したことを言えばきりがないが、いまいっても意味がない」といって席を立った。
鳩山政権は早くから「西川社長辞任は必然」といい、亀井静香を郵政担当に据えたのだから、こうなるのは当然の流れ。きのうは「郵政民営化見直し」の骨格を閣議決定していた。小泉改革との決別、いわば時の流れだ。
小倉智昭は、「小泉さんに乞われて引き受けて、黒字にした実績もあったのだから、なんで俺が……といういら立ちはわかるが……」
長谷川は「1メートルくらいで撮るんですから、あれでは話しにくい。といって、撮らないわけにもいかない。あとは報道陣のなかでの話し合いになるのでしょうが」といったが、ポイントはそこだ。
スチルカメラの音はライターには邪魔なものだ。話の内容がよく聞こえないのだから。いまはもうみなデジタルなのだから、もっと音の小さな機材だって作れないことはないだろうに。