<テレビウォッチ>渦中の八ッ場ダム建設現場を訪れた関係1都5県の知事は視察後、「代替案を提示することなく一方的に建設中止を表明したことは無責任な行為で極めて遺憾」と、前原国交相を批判。なかでも石原東京都知事は、「『すでに決めたことだから』というのは、どう考えても民主主義の原理にもとる」と不快感を示した。何百億円も負担させられて今さら中止とは何だ、ということだろう。
スタジオ陣のコメントは、国交相寄り。杉尾秀哉(TBS解説委員)は「これまでデタラメなことをやってきたツケが今きているということだ。50年もかかってまだ本体工事にとりかかれない。予算の2倍以上、4600億円の事業規模といっているけど、本当にそれで済むのかもわからない。ダムの効用についても、必要なのかどうか、専門家の見方も分かれている」と語る。
みのもんたが「単純にこのニュースを扱って、単純に考えてみると、必要なら一生懸命つくっただろう、半世紀もかけてまだ出来上がらないのは本当に必要なのかどうか、と思わざるを得ない」と話す。すると、青野由利(毎日新聞論説委員)も「普通の人ならそう思う」と肯定する。「中止賛成」が多い各種世論調査に沿った流れである。
ここで、みのは歯止めをかけようとする。「(知事たちの)気持ちもわからないではない。今までこれだけのお金を費やしている、どうしてくれるんだ、という理屈もある」と言い、「負担金がなければ、もしかしたら(知事たちは)違った動きに出ていたかも?」と杉尾に問いかける。「そりゃあ全然、違うかもしれない」と受けた杉尾は「もう少し議論してみたらどうか。あんまり時間かけるわけにいかないけど、最終的には、住民の方も含めて納得できるような形に持っていかなきゃいけない」と結んだ。