(C)ロボゲイシャ製作委員会2009
<ロボゲイシャ>置屋で小間使いとして働くヨシエ(木口亜矢)は姉のキクエ(長谷部瞳)の芸者としての美しさに憧れていた。しかしいつも失敗ばかりでそのせいでキクエから虐げられ、姉妹でありながら『お母さん』からも冷遇されていた。しかしヨシエは姉のことを憎みもせず、むしろ尊敬していた。いつか自分も芸者になって姉と2人で踊れることを夢見ながら……。
海外にカルト的ヒットを飛ばした井口昇監督の『片腕マシンガール』は米国のオファーで作られ日本のセーラー服少女のかわいさが評価されたが、今作は『芸者』がテーマである。これはあまりに海外に向けての単純なセールスアピールであり、ニンジャやテンプラと並ぶワビサビで勝負しているのがわかる。だが『ロボゲイシャ』はそんな細かいことはどうでもよくギャグのテンポのいい、傑作ムービーである。はっきりいって見なきゃ損だ!
冒頭から芸者が顔面からノコギリを出して大物政治家を切り殺そうとし、ビキニ姿のお姉さんが天狗の仮面被って日本刀振り回し、全身を改造したヨシエは脚が戦車モードにチェンジして姉を救出しようとし、最後は手足の生えた悪の組織の「巨大城」が街を横断して富士山をめがけて登りだす。ハチャメチャであるが物語は姉妹の肉親への感情と家族愛と普遍のものであり、2人の絆が描かれるのだ。ヨシエの夢はかなうのか、姉妹の舞台を映画館で堪能して欲しい。
シアターN渋谷でしか公開していないのが残念だ。また井口昇はアダルトビデオの監督でもあるが、劇中に性的描写はほとんどなく、下ネタギャグぐらいで押さえているので、男女を問わずお勧めできるガールズムービーだ。2度も言うが見なきゃ損、今すぐ映画館においでやす!
ユウ・ミサト
オススメ度:☆☆☆☆