<テレビウォッチ>TBSの「キズナ食堂SP」。「オリラジ農業生活」の200日間密着ドキュメントが良かった。爆笑問題と黒柳徹子のほかに、石塚英彦やしずちゃん、ガレッジセール川田らがスタジオ陣を務めた。
オリエンタルラジオの2人は、デビュー直後に爆発的に売れ、レギュラー・冠番組をいくつも手に入れたのに、あっという間にそれが消えてしまった。この事態を反省すべく、千葉の山の段々畑で200日農業に力を注いだのだ。以前は高樹沙耶といっていた益戸育江が近くにいるとかで、彼女の力も借りていた。
中田の顔が変わった
使う土地は「元畑」。草ボウボウでこれを耕してキョウリやナスなどの栽培に挑んだ。2人がけんかしたりしながら、芸能界で復活できるか、と農業に汗した。その結果、作物はとてもよく出来た。トマトが病気になったり、ハクビシンに野菜を食べられたりもしたが、2人は真面目に取り組み成功した。
いいドキュメントになった。農業ブームの流れもあり、若い2人が採れたての野菜はおいしい、と気付く姿を伝えるのはとても良かったと思う。2人の絆は深まったように見えた。中田は本当にいい顔になった。農業を始める前と比べると全然違う顔つきだ。
若干不満だったのは、よく実った、動物に野菜を食べられた、という動きのある現象面に時間を多く割いていたことだ。テレビ的に画になるということなのだろうが、元畑だったところを作物が実るようにするには、耕して土地を豊かにするのが大切だ。その地味なしんどい作業に取り組んだ2人の姿をもっと見せて良かった気がする。それにしても今夏は天候不良といわれる中、そんなに実るのか、というぐらいの収穫があった。
ともかく2人の真剣な姿を見ていると、復活はできそうな気がする。これからの活躍に期待したい。
2人のがんばりは良いとして、番組のつくりとしては素材を生かし切れていない結果となった。スタジオの石塚は、最後のへんで収穫物食べて「マイウー」と言っただけ。この扱いはもったいない。彼ならもっと楽しいことを伝えることができたろうに。各地の祭り紹介の映像も入っていたが、余計だった。
狙い目は良いし、オリラジの2人を200日追った努力は大したものだ。しかし、まとめが良くない。8割良くて2割つまらん、といった所か。もったいない。この辺がTBSの実力かな、とさらけ出してしまった。
農業を 芸の肥やしに 戻れオリラジ