<テレビウォッチ>減少傾向にあった振り込め詐欺事件が、狡猾なテクニックで東京では7月以降再び増加傾向にあるという。
被害金額は今2009年初めから9月末まで全国で72億6510万円に達し、年内100億円を突破するとみられている。番組が、バリエーションが増えている巧妙な新手のテクニックを取り上げた。
狡猾なテクニックその1は『新型インフルエンザ詐欺』。
今10月4日、香川県高松市の60代の女性にその振り込め詐欺の電話が掛かってきた。
「オレだけど、ちょっと熱が出て声が違って聞こえるだろ? 新型インフルエンザに罹ったみたい。明日病院に行って検査してもらうよ」
と、まず心配させておいて、次の電話で「言いにくいんだけど借金で困っているんだ」と本題を。
疑問に感じた女性は家で飼っているペットの名前を質問したところ男は答えられず詐欺と確信。被害に遭わなかった。
その2は『振り込ませる前に逆にお金お振り込む詐欺』。この手の込んだ詐欺はどういう手口かというと……
男性が預金通帳の記帳をしたところ、得体のしれない3万円が振り込まれていた。
1週間後、男から「金融会社のものですが、お約束の利子3万円きちんとお支払い頂かないと困りますね」と電話が。
男性が「借りた覚えがない」ことを告げると、男は態度を豹変させ「1週間前に6万円借りたいというから利子を差し引いた3万円を振り込んだだろう」。
男性は「確かに3万円の振り込みはあったが、借りた覚えはない」と、返却するつもりで3万円を男に振り込んだ。
ところが男から再び電話で「困るんだよ、今週の利子3万円がまだ振り込まれていないじゃないか。オマエの住所は○○だろ。振り込まないと家に乗り込むゾ」と脅された。
不気味に感じた男性は再び3万円を振り込んだ。しかも、この後さらに10万円が振り込まれ、別の金融会社を名乗る男から10万円の利子を支払うよう要求してきたという。
結局この男性は弁護士に相談し、振り込んだ金額を返してもらったが、感じた恐怖心や対応にかかった手間を考えると、とんだ被害に遭った。
こうした振り込み詐欺に詳しい宇都宮健児弁護士は「なかには振り込まれたお金を使ってしまう人もいて、後ろめたさから相手の言いなりになるケースもある」という。
スタジオの弁護士、本村健太郎は「どうしても相手の会話に巻き込まれるので、冷静になる時間が必要。留守電にしておくのもいい方法ですね」と。
ただ、最近では犯人の手口も巧妙になり、被害者が孫や息子に確認の電話をかけないように、犯人グループが家族構成や息子や孫の携帯電話番号を調べあげ孫や息子に電話をかけ続けるというから始末におけない。