<テレビウォッチ>「ハブ空港は羽田」という前原国交相に、森田千葉県知事が「寝られなかった。冗談じゃないですよ」と怒っていたのが一昨日だ。その知事がきのう(10月14日)、前原大臣と会談したら、一転ニコニコ顔になった。
「千葉を切り離すということではなかった。真意を聞いてホッとした」というのだが、そもそも「成田を切り捨て」なんて誰もいってない。前原大臣から羽田の名前が出たのは、橋下大阪府知事の「関空」に対しての「羽田」だった。それと「ハブ空港の必要」というのがごっちゃになった。
だから、森田知事が怒っていること自体がトンチンカンだったのだが、会見でそれを聞いている記者たちも、「知事、それは勘違いですよ」といわなかった。知らなかったのか、それとも知事が怒っているのが絵になればそれでいいのか。どっちにしてもあきれたもんだ。
国交相の危機感というのを、番組は数字や仁川空港ルポで見せた。仁川とは日本の27の空港が結ばれている。対して成田は8路線しかない。成田の利用数は122万人、仁川を利用する日本人は13万人。2001年開港の仁川に、1割の客をとられている。ここを何とかしないと、というのが「ハブ空港」発言の真意だった。
早い話が、新潟から外国へ行こうと思ったら、新潟から仁川へ直接飛べるのだから、東京へ出るよりよほど楽だ。また、仁川で日本へ行くというドイツ人旅行者が「便利です」なんていってもいた。ツアー旅行も仁川経由がどんどん増えている。
その森田知事が小倉智昭と電話で話した。「一昨日はカッとして失敗した。それより、千葉県の立場をしっかり確認すること」「国益も利便性も考えて合理的な棲み分けについて、話しましょうよと」「成田に国内線も導入したい」などなど。
岩上安身が面白いことをいった。「森田氏は98年の衆院選に東京4区から立候補している。羽田地区ですよ。そのとき彼は、羽田の国際空港化を訴えていた。立場が変わったら反対のこといってる。ひどいもんです」
小倉も、「航空行政がしっかりしていたら、日本航空もあんなことにはなってないでしょう」。
あらためて、自民党は何やってたんだと思ってしまう。