<テレビウォッチ>毎週金曜夜に放送される「太田総理」だが、野球その他、なんだかんだで放送がなくなることも多い。そんなウサを晴らすかのように、10月9日はドーンと3時間SP。小さな国会のマニフェストも豪華2本立てである。
ひとつは、ゲストの長嶋一茂が持ち込んだ「学校の授業に『心のケア』の時間を作ります」だった。あまりリアリティのない「うつ病体験」告白を織り交ぜながら、心のケアの重要性を訴えると、これは小さな国会で可決された。
建設推進派幹部も参加
だが、太田光総理(爆笑問題)はいつものように他人のマニフェストに無関心。自身提出の「八ツ場ダムは公約どおり中止し、住民には1人1億円払います」のほうに 、より額の青筋を増やしていたことは言うまでもない。
ご存知、群馬県の八ツ場ダムはムダな公共事業、ムダダムの代表格として民主党のマニフェストにも「建設中止」が謳われていた。しかし、何十年もかかって、ようやく「新生活」に向かおうとしているのに、いきなりを上から目線で「中止」を言い渡されたとして、多くの住民が反発している。
スタジオにも絵に描いたように頑固そうなダム建設推進団体の重役が2人、やってきた。何十年と運動してきたらしい白髪混じりの「爺さん」たちを、ソーリはいまこの場の演説で説得、変心させようというように言葉を重ねるのだった。
「全部否定されるわけじゃない」
「みなさんの団体にも、若い人もいれば、行きがかりでやってる人もいると思う」と、まるで見てきたようなソーリ。「若い奴にしてみれば、『爺さん、いままでの人生かけてきて申し訳ないけど、ここで折れてくれ、オレたちまたこれを引き継ぐのか』って意見もあると思う」と、目を赤くしながら力説する。
そして、1番重要なのは、民主党が「ダムが中止になったからって、いままでのアンタの人生、全部否定されるわけじゃないってこと」を提示できるかだという。それは、八ッ場(ダムの地元)がダムじゃなくても素晴らしく活性化できるというアイデアにほかならない。「オレは単純だからカネだろうと思うけど、ほかにアイデアがあればそれでも構わないよ」
ソーリといえば、いつもは意固地で意地の悪いキャラが売りだが、今回は未来志向で建設的なこと、薄気味悪いほどではあった。その一方、重役の1人は、法案が可決された投票の前に議長の古市幸子アナから感想を聞かれ、「私の主張がどこまでみなさんに理解してもらえたか難しいところだが――」と冴えない表情で語っていた。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)