<テレビウォッチ> 「やっぱりこれは非常識。有り得ない」。大阪府の橋下知事の怒りがまた爆発した。その矛先は府の女性職員だが、こちらも黙っていなかった。メールによる知事vs女性職員のバトルとは……
ことの発端は今10月1日に橋下知事が全職員に向けて送信した次のメール。
「昨日の議会答弁、水需要予測の失敗によって380億円の損失が生まれることに関して、恐ろしいぐらい皆さん冷静です。民間の普通の会社なら組織上げて真っ青ですよ!!何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです…」
将来の水不足に備え大阪府と和歌山県がつくってきた『紀ノ川大堰』。最近の調査で水需要が大きく減少したため、大阪府は事業からの撤退を決めた。
この結果、建設費用1000億円のうち府が負担した380億円が無駄になる可能性が出てきた。
橋下知事のメールの趣旨は、撤退を府議会で説明する幹部職員に、結果的に税金のムダ遣いしたという意識が足りなかった。議会の先には府民がいることを意識し、申し訳ないと伝えるべきだったというわけ。
しかし、この知事のメールに女性職員が返信メールで激しく反発した。
「このメール配信の意味が分かりません。愚痴はご自身のブログで行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」
無礼と感じた橋下知事は再びメールで「私は上司です。この非常識を改めること。言い分があれば知事室に来るように。聞きましょう」と。
メールを受け取った女性職員はさらに猛反論。「こんなにたくさんのメールが一方的に送りつけられること自体、私には未知の経験。恐怖に感じています。知事室のお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」。
橋下知事は「これ組織のトップに対して言う物言いではないだろう」と怒り収まらず、女性職員とその上司を口頭で厳重注意処分にした。
スタジオでは、テリー伊藤が「橋下さんは職員を部下とか言っているが、雇っているのは府民。橋下さんも間違っている」。
弁護士の八代英輝は次のように……
「世の中の意見は知事が大勢と思う。あえて違う角度からいえば、職員のなかには一生懸命やっている人もいるはず。それを選別しないで、上から一斉送信するのはどうか。それに内容も愚痴っぽい。『冷静すぎます』と言っているだけで指示ではない」
コメンテーターどちらの意見もいかがなものか?? 府民から選ばれたリーダーが、試験で採用された職員を指導・監督するのは当然だし、指導を愚痴っぽいといわれては……。
ただ、中身はいただけないが女性職員の反論は、表面服従、内心せせら笑っている面従腹背よりもいい。