SOS出さずに餓死 日本の30代に起きているコト

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「負け組」という言葉が…

   8月の完全失業者は361万人。有効求人倍率は過去最低で5人に2人分の仕事しかない。このうち30代の失業者は、去年の同じ月に比べ31%増の80万人に達している。

   今回の取材でスタッフが北九州市の中心部にある公園を訪ねた。ホームレスに炊き出しをしている様子を取材するためだが、これまで見かけることがなかった30代男性の姿があったという。

   そのうちの1人、去年12月に派遣先の仕事を失いこの公園で寝泊まりしている30代の男性もやはり「助けてくれとはいえないですね」と。

   この男性は、ホームレスと気付かれないように食事代を切り詰め10日に1度は洗濯しているという。

   キャスターの国谷裕子が「助けてといわず孤独死していく。なぜ声を出さずに抱え込んでしまうのか、胸が痛くなりますね」と。

   同じ30代で心に深い傷を負った主人公の生き方を描く作品が多い平野は次のように若者たちを代弁する。

   「ボクも北九州出身、年齢も近いので痛ましい。30代半ばから後半にかけては、人口が多いにもかかわらず就職口は狭く、就職できた人は少なかった。

   2000年前半ぐらいから企業で言われていた『勝ち組』『負け組』が、個人まで言われるようになり、10年経ってその矛盾が深刻になってきていた。

   決して自分のせいではないのに、テストの点数が悪いからとか、いい学校に行けなかったのは努力が足りなかったからとか……。『負け組』という言葉が自分の実感と重なってしまった。『負け組』と思われたくないという自尊心の問題は大きいと思う」

   では、解決の糸口は?? 平野は語調を強めて次のように述べた。

   「犯罪に巻き込まれたら110番するように行政の窓口を単純化して、こうした困窮の状態になったら必ずそこへ行くという窓口をつくるべきだ。それを利用することが当たり前になるような窓口を……」。

   人生これからという30代。望みを断ち切るには最もふさわしくない年代のハズだ。

モンブラン

* NHKクローズアップ現代(2009年10月7日放送)

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