<テレビウォッチ>柳田国男の『遠野物語』にも出てくる『座敷わらし』が住んでいるといわれた岩手県二戸市の金田一温泉にある『綠風荘』が、10月4日夜全焼してしまった。
幸い、男性1人が足に軽いケガをしただけで宿泊客、従業員は避難して無事だった。ひょっとしたら「あの子」が助けてくれたのだろうか……
リポーターの阿部祐二が現地を取材、見た人に幸せを運ぶという『座敷わらし』は本当にいるのか取り上げた。
宿泊客の青年がぐっすり寝ていると、急に布団が重くなり、何かが上に乗っている感じ。息苦しくなって起き部屋を見回すと、隅にうずくまっている男の子がこちらを見て笑った。
300年の歴史があるという『綠風荘』に泊まってこんな体験をした青年は、後に19代総理大臣になる原敬。
このほか宿泊者には、パナソニック創始者の松下幸之助、本田技研工業創始者の本田宗一郎、作家の遠藤周作、そして福田赳夫・元首相などの著名人が。
それにしても、ちょっと古すぎるので、現役の若手の例も……
フォークデュオの『ゆず』のメンバーが2001年に宿泊。2年後にNHK紅白歌合戦出場、さらにその1年後には『栄光の架け橋』が大ヒットした。
両親が100回以上も宿泊しているという横笛奏者の『HIROMASA』は、本人も宿泊したところ突然笛の音が聞こえ、それがきっかけで作曲するようになり、以来イベントに引っ張りだこという。
今は全焼し、なくなったが、『座敷わらし』が住みつきよく現われた部屋が『槐(えんじゅ)の間』で、宿泊客が置いていったおもちゃのオルガンや人形が所狭しに飾ってあった。
夜そのオルガンの音がしたり、鳥のさえずる声が聞こえたりしたという。
火事で『座敷わらし』が何処へ行ったか分からないが、敷地内で唯一焼け残った亀麿神社に逃げ込んだのかも。テリー伊藤が「また戻ってきてくれそうだから、建て直してほしい」と。
東北、みちのくに残るロマンはほほえましい。ぜひとも再建を……