「人民元は小学生」
国谷 金融改革は世界が直面する大きな課題だ。人民元を国際化してドル依存を軽減する方向に向かうのか。
王 ドルの指導的地位はまだまだつづく。中国は今すぐ人民元がドルにとって代わることを望まない。ドルを博士だとすれば人民元は小学生だ。アメリカと協力し徐々に発言権を増して行きたい。
国谷 鳩山新政権の東アジア共同体構想に、中国はどうのぞむか。
王 鳩山新総理が胡錦濤主席に東アジア共同体構想を提案した。このとき胡錦濤氏は何も触れなかったが、その後、中国と日本は協力を強化すべきだと私に述べた。よいスタートを切ったと思う。中国の古いことわざに、1つの山に2頭のトラはいられないという言葉があるが、今は通用しない。こうした古い考えは捨てるべきだ。中国と日本が協力すれば、通貨、安全保障、貿易において、アジア全体が新しい局面を迎えられると信じている。
王教授の言葉の端々に自信があふれ、インタビューの合間に挟まれる映像も、この国の『光の部分』ばかりだった。が、「本当に責任ある、国際協調できる大国になって行けるか、今後問われることは間違いありません」が国谷の結びだった。
アレマ
*NHKクローズアップ現代(2009年10月1日放送)