望まれてるの?亀井「猶予」案 「中小企業、歓迎してない」説

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   <テレビウォッチ> すったもんだしている亀井金融担当相が提唱している中小企業向けのモラトリアム(返済猶予)法案化作業。この法案の骨子がまとまったと番組が取り上げた。

   それによると、中小企業が金融機関から借りている借金の利息と元本を3年猶予する。猶予された利息は国が代わりに支払う案も出ているという。

   骨子をどこが出したか判然としないが、番組はこれを受けて、中小企業のメッカ、東京・大森の町工場を取材した。すると、経営者からはモラトリアム反対の声が……

   「晴れているのに傘を貸すから持っていけ、ドシャ降りだと貸さない」。昔から金融機関の融資の仕方には批判があった。

   それが今、未曽有のドシャ降り状態のなかで、貸しはがしや貸し渋りが横行。これを危惧し、何とかしなければ中小企業がつぶれるというのが返済猶予の狙いなのだが……

   経営者によると、返済猶予を受けても不安が強まるだけという。「金融機関から追加融資など、次からの融資が受けられなくなる恐れがある」。それよりも「緊急融資制度を作ってくれた方が自然に受け入れられる」というのだ。

   高木勝明大教授も「単に返済期間の延長だけを図るというのはいい話ではない。貸し渋り、貸しはがしを解消する方向に金融機関を指導すべきだ」という。

   スタジオでもこうした意見を受けて、金融機関への批判、モラトリアムへの疑問が相次いだ。

   週刊朝日編集長の山口一臣が「中小企業を活性化させたいという亀井さんの気持ちは汲んであげたい。昔に比べ金融機関の融資の仕方がマニュアル化し、企業の将来性などちゃんと評価できなくなっているからこういう問題が起きる」。

   ジャーナリストの大谷昭宏も「亀井さんの案は、いい制度だという意見もある。ただ、企業は生きものだから、返済猶予を受けると追加融資が受けられなくなるという不安がある以上、制度を作っても誰も使わなくなる恐れがある」と。

   最後にキャスターの赤江珠緒がズバリ。「亀井さんの発言は強烈で注目を集めますが、現実路線に変わりつつありますね。知恵を絞っていただきたい」と。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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