<テレビウォッチ>デパートが、とうとう低価格商品に踏み込んだ。秋物ファッションで従来の値段からは4割5割安い、デパ地下では100円商品コーナーまで現れたという。いったいどうなっているのかを、中山美香がレポートした。
1992年から続く低迷の原因のひとつが、デパートは高い、というイメージにあることはたしか。これまでの安売りの中心は、ユニクロなどファスト・ファッション業界が中心だった。
デパート戦略のキーワードが、「PB(プライベート・ブランド)」だ。もともとはスーパーのお家芸だったのをとりこんで、中間マージンを減らし、従来の秋物の平均価格2万6000円を1万2000円レベルに下げた。しかしデパートとしての品質やサービスは保つと。
東京大丸では、松坂屋と共同開発のPB「プチオンフレール」を立ち上げ、人気のメタルゴールドバッグ2000円、ニットアンサンブル9000円、ワンピース5000円という具合。ほとんどが1万円以下だ。客も「デパートは高いものだと思っていたが……」と驚く。
高島屋は人気ブランド「ICB」とのコラボレーション。客の声を取り入れ、ジャケットに内ポケットをつけたり、自宅で手洗いでき、アイロン不要の素材とか。値段も3万2000円台が1万7000円台に。
西武池袋店は、有名デザイナーATSURO TAYAMAの「リミテッドエディション」をデビューさせ、キルティング・ジャケット8190円、ニット7140円、パンツ8400円などなど。 企画・製造をアパレルメーカーと一緒にやることで、「通常のデパート価格の4割5割安にできた」
その西武の地下食品売り場には、100円菓子コーナーやカップ麺98円などが並ぶ。「コンビニと同じ商品で、700品目置いている。地下に来たお客様に上にも行って頂く戦略」と担当者。
加藤浩次は、「メリット、デメリットあるんでしょうね」
ワタミ代表の渡邉美樹は否定的だ。「百貨店のPBは値段を下げてはいけない。そういう内装であり立地でありサービスがある。そこで値段を下げると自らの首を絞めることになる」「生き残るには商品力を高めないと。商品力というのは、使いやすさではなくて、そこで買うことのワクワク感だったり、思い出だったり。9兆円の市場が7兆円に縮んだなかで戦略をたてないといけないのに、スーパーのやり方をとった。これは失敗する」
葉山エレーヌは、「いままでスカートしか買わなかったのが、安ければ上も買っちゃおうとか」と、安ければいい派。
テリーは、「いま安いかもしれないが、これに慣れると、もっと安いものをとなる」
うーん、新たないたちごっこの始まりか。