<テレビウォッチ>テレビ朝日で金曜20時から放送したドラマ「さよならが言えなくて」。制作はABCだ。
薬物で苦しむ少女(谷村美月)を更正させようと「夜回り先生」(寺脇康文)が苦悩する姿を描いた作品だ。娘の母役は片平なぎさ。ともかく薬物依存から抜け出すのがいかに大変かが分かる話だった。本人の努力だけでも家族の愛だけでもだめだ。医療関係者の協力や施設が必要で、かつ本人が頑張らないといけない。
シリアスな内容でまじめで暗い展開だった。結局、先生が警察に頼んで少女を逮捕してもらう。環境を劇的に変えないと立ち直るのは無理と判断したためだ。幻覚が襲ってくるなど、薬物から抜け出すのは本当に大変そうだ。周囲も誘惑してくる。再犯率が多いというのもうなずける。
数字は10.6%となかなかだ。地味なドラマでもあるし、テレ朝としては本来、ゴールデンタイムにABCのドラマなんて流したくなかったろうが、のりピー事件で薬物事件への関心が高まる中、タイムリーだと判断したのだろうか。
酒井法子の保釈後の会見の中身がどうだこうだと批判を浴びているが、1番問題なのは、彼女が今後きっぱり薬物を断つことができるかどうかだろう。そうした点からも、考えさせられるドラマだった。
入り口極楽 出口は地獄