<街道てくてく旅。山陽道>北京オリンピック・シンクロナイズドスイミング銅メダリストの原田早穂が九州の太宰府天満宮から奈良の平城京まで歩いて旅をするという企画の総集編である。
今回の総集編では、太宰府天満宮から赤間関までの道中で繰り広げられる旅人と人々との新鮮な出会いがとても印象的だった。道中、博多曲物の工場や馬術練習所に立ち寄ったり、はたまたシンクロナイズドスイミングの教室で特別講師を引き受けたりするなど中身の濃いものとなっている。
特に印象的だったのが、旅人に声援を送る人々の姿だった。皆、何かしらの差し入れを持ち暑い中、旅人が通るかもしれない道で長時間待っていたのである。旅人と出会うと人々は旧友との再会のように親しく旅人に声援を送るのであった。オリンピックの銅メダリストであるにもかかわらず、なんともいえない親しみを人々に抱かせるこの原田早穂はまさに旅人としてぴったりだといえる。
その他にも、道中、原田早穂自らが描いた旅のスケッチは印象的であった。その絵を見るだけで、人々との出会いや別れそしてこれから待ち受けているだろう新たな風景といったものへの希望がにじみ出てきている。過酷なトレーニングで日々自分と戦っているスポーツ選手からは、なかなか想像しがたい姿がまた見るものの心をひきつけるのかもしれない。<テレビウォッチ>
K・A