「職業訓練」7000億円 本当の行き先

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   <テレビウォッチ>政権交代の『解毒剤』が効いて前政権のデキモノの膿があちこちで噴出してきた。ムダが指摘されている八ッ場ダム、親方日の丸意識から経営悪化している日航、そして天下りの温床の独立行政法人……

   スパモニ調査報告番組『ちょっと待った総研』でリポーターの玉川徹が、緊急景気対策として麻生政権が決めた2009年度補正予算のバラマキの実態に迫った。

   14兆7000億円の補正予算。取り上げたのは、この中に含まれていた職業訓練を受ける人(3年間で約100万人対象)への実費と訓練中の生活費(単身者に月10万円、世帯主12万円)を給付する3年分の予算、計7000億円。

   3年分の7000億円は手回しよく、厚労省から中央職業能力開発協会の口座に振り込まれているという。

   そこで、まずリポーターの玉川が感じた疑問「なぜ3年分なのか?」を厚労省にぶつけると、 返ってきた答えが「政府の方針で、麻生総理の指示もあった」という。

   スタジオでは一斉に「エーッ」の驚きの声。

   続く疑問「振り込まれた2年分、3年分の予算はどうされているのか?」に、厚労省の答えは「国債で運用しています。タンス預金のように寝かせておくわけにもいかないから……」。

   スタジオでは再び「エ―ッ」。

   この補正予算の原資は国債を発行した借金。「借金をしておきながらその金で預金をするのはおかしい」(玉川)と怒る。

   しかも7000億円という額の多さも解せない。似たような施策を1年前に実施している東京都の場合は、3年間、6500人を対象に1人当たり15万円(上限)の受講奨励金を支給しており、予算は910億円という。

   東京都の猪瀬直樹副知事は「うちのを真似したんでしょうが、そういうお金がポーンとくると、無駄と云われた組織が蘇生してしまい、またハコ物をとなる」と呆れる。

   そしてもっと不可解なのは、予算を振り込まれた先の『中央職業能力開発協会』。自分のところでは訓練の機能がなく、入札の結果、「わたしの仕事館」で悪名高い『雇用・能力開発機構』が応札。しかし、ここも訓練実施機能はなく下請けに出しているという。

   内閣府では、使われていない2、3年分の予算は返済を求めるというが、天下りの温床になっているムダな組織の解体も求めたい。

文   モンブラン
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