鳩山夫妻の略奪婚問題 「今さら」なのか「火だね」か

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新潮と文春で元夫語る

   世の中が民主党万歳でいくなら、こっちは裏道から鳩山首相を揺さぶってやれというのが新潮と文春。鳩山氏の夫人、幸さんの前夫の告発を取り上げたのは「女性セブン」が早かったが、こちらはねちっこく、昔話を蒸し返している。

   「鳩山幸元夫・田浦新一朗氏が実名告発 私を裏切った由紀夫くんと幸へ」(文春)、「在米の元夫がぶちまける『鳩山新総理夫妻』が犯した35年前の原罪『略奪婚』」(新潮)

   もはや耳にたこができるほど聞かされた話だが、しばしお付き合い願いたい。

   田浦氏は現在72歳。サンフランシスコの有名日本料理店「蝶々」を経営していて、アマンドの社長だった滝原健之氏に、宝塚を退団していた幸さんを紹介され、結婚した。

   3年ほど過ぎた頃、やはり滝原氏の紹介で、鳩山由紀夫氏と会い、スタンフォード大学に留学中の彼の面倒を見ていた。そこから田浦夫人だった幸さんと鳩山氏が急接近して、2人で手に手を取って駆け落ちとなる。

   その後、何の連絡もないまま過ぎた。2人が結婚するとき、鳩山氏の母親安子さんが、詫びに来ただけだったという。

   要は、世話になった男の女房を寝取ったまま、何の挨拶もないアンモラルで不人情な人間に、一国の総理は務まらないと告発しているのだ。

   鳩山新総理を多くの国民が支持しているのは、宇宙人だといわれようと、言語明瞭、意味不明瞭であろうとも、夫婦仲良く、清新なイメージを持たれているからだろう。

   特に、幸夫人に対する主婦層の支持は大きいはずだが、こうした略奪婚問題や、「故人」献金問題で、十分な説明責任が果たせなければ、あっという間に、気まぐれな主婦層は離れていく。

   私の知人のライターは、先週から北海道の室蘭へ入って、過去の女性問題や不透明な献金が他にもないか調べている。

   千丈の堤も蟻の一穴を以って潰ゆ。鳩山政権が、週刊誌お得意のスキャンダルの洗礼を受けて耐えられるのか。日本では、新政権発足後100日間のメディアとのハネムーン期間はない。目に見える成果が先か、スキャンダルが火を噴くのが先か。いよいよ本番である。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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