<テレビウォッチ>「調子に乗ってる民主党を、いきなりとっちめてやろう!」。政権交代が確実となった衆院選後初の放送で、太田光総理(爆笑問題)は叫んだ。「新政権が赤字を出したら民主党全員に自腹で払ってもらいます」とのマニフェストを掲げて、民主党にモノ申すつもりらしい。
子ども手当や出産一時金、公立高校の無償化、高速道路の無料化etc。日本中が混乱するような政策なのに、「民主党の人たちがあたかも簡単にできるような口ぶりなのはちょっと違和感がある」。私財をなげうつぐらいの覚悟はしてほしい、とソーリは考えているのだった。
政権交代の影響も
さて、この法案を話し合うため、小さな国会ではおなじみの議員たちが集まり、いつものように賛成、反対に分かれて議場に着席した。と、そこには「チェンジ」が見られたのだった。「席の配置が変わった」とソーリ。なんだかんだで、この番組で出てくるマニフェストは与党にとって厳しい内容が多く、平沢勝栄や山本一太といった番組おなじみの自民党議員たちは法案反対に回り、ソーリと正対するのが常だった。が、今回は彼らがソーリに賛成して脇に座り、平沢のいた席に原口がいるのである。
議論は、太田総理のマニフェストよりも、民主党のマニフェストに重きが置かれ、見飽きた話が続いた。ただしそんななかでも、原口の受け答えの様子に、タレントのふかわりょうはあるチェンジを見て取り、皮肉混じりな調子で言う。「原口さん、ずいぶん余裕が感じられますね」。そして、返す刀で「平沢さんも若干小ぶりになった感じ。野党になると小ぶりになっちゃうんですかね」と元気のない平沢を口撃するのだった。さらに「いつもの2割ぐらいしかパワーでてませんよ」と囃し立てる。政権交代ははやくもこの番組に如実に影響を与えているのだった。
ソーリもソーリで、ふかわに乗じて「原口さん、ちょっと総理が近づいた。山本一太さんは総理が遠のいた」とからかう。この番組で、(その実力はないのに)ひそかに総理の座を狙う男として、たびたび自民党の大村秀章議員がイジられて顔を赤くしていたが、今後その役は原口に引き継がれることになりそうだ。
今回のマニフェストはさほど真剣に顧みられていなかったが、ソーリは最後の演説で「(財源の)アテが外れた場合、国民に助けを求めるんですか? それは約束してくださいよ。だから自腹で払ってよ、という言い方になる」などと声を絞り、おそらくは自民党票の大きな助けを受けて、マニフェストは無事成立と相成った。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)