<テレビウォッチ>16年前、自民党の55年体制が崩壊し、7党1会派による細川政権が誕生、政権交代が実現したことがある。
政権の寿命はわずかだったが、その時の立役者の1人で細川内閣の官房長官だった武村正義・元衆院議員がスタジオに生出演し、民主党や小沢代表代行への期待を語った。
ちなみに16年前の時の「顔ぶれ」が、内閣を支えた新生党代表幹事の小沢一郎、若手でわき役だったが官房副長官の鳩山由紀夫だった。
まず、キャスターの赤江が「俯瞰した立場でご覧になって、今回の選挙をどう見られましたか?」と。
「ま、16年ぶりの画期的な変化が、今度は堂々と起こったな~と。自民党が老いて、疲れて、倒れていった。そこへ新しい政治勢力の民主党に票が流れて大勝したという印象ですね」(武村)
その民主党大勝のもとになった選挙制度について鳥越俊太郎(ジャーナリスト)が「武村さんたちの政権で、小選挙区比例代表並立制という改革をおやりになった。それが今、効力を発揮して民主党が308議席を取った……」。
「あの時は、後藤田先生が中心になって選挙制度を思い切って変えようとやっていました。数年間の議論の末細川内閣で今の制度が決まった。新しい制度になって5回目の選挙でやっと目的の政権交代が実現したということですね」(武村)
さらに鳥越が、小沢代表代行について「小沢さんのかつてのような言動で新政権がピンチに立つようなことには? 去年、会食されたようですが……」。
「40代、50代のイキのいい小沢さんと違って60代後半ですから少し柔らかくなった、丸くなってきたという印象です。
私と小沢さんの関係は、細川政権時代に月1度の割で主なテーマについて話し合っていた。
小沢さんという人はこの問題についてどう思われるか聞くと、これは賛成、それは反対、僕の考えはこうですと、難しい問題でもきちっと答える人。
その意味で話し甲斐のある人です。ただ、余分なことは一切言わないので会話が弾まない」(武村)
そこで赤江が「では、新政権は小沢代表代行をどう処遇すると思いますか?」と。
「テレビの前でストレートに言うのもなんですが、70代に近づいてきたんですから大所高所から民主党政権、民主党そのものを監視する役割を担ってもらいたい。
とくに政権とは権力ですから誘惑もあるし、族議員など派閥の動きも出てくる。新たな政官癒着構造が生まれるかもしれない。そういうことが起こらないよう睨みつけている存在になって欲しい」(武村)
最後に武村は、次のような新政権への要望を……
「財源論がでていますが、財源探しの前に、日本の財政はどうなっているのか赤字の状況、埋蔵金はあるのかないのか、ぜひ総ざらいしてほしい。それは旧政権の結果ですから、きちっと公表してほしい」