<テレビウォッチ>政権交代の準備が進み、今(9)月16日には「鳩山由紀夫総理大臣」が誕生する見通しとなった。ところが、政権交代を巡り、早くもギクシャクした動きが出てきた。
番組は、官僚主導からの脱却を唱える民主党と官僚との間で一足早く激しいバトルの兆しが……と取り上げた。
民主圧勝の興奮がまだ残る昨日(9月1日)、政権交代を受けて政府関係の要人たちの動きも俄然あわただしくなった。
日銀の白川方明総裁が「表敬と最近の金融情勢について意見交換」しに鳩山代表を訪問している。
また、財務省の丹呉泰健事務次官も鳩山代表を訪れた。
一昨日の8月31日、締め切られた来年度予算の概算要求について抜本的に見直す考えを示している鳩山代表への訪問。記者たちが群がったが、「国際会議の説明をするように」との要請で訪れたとあってバトルはなし。
そんな中で、消費者庁が1日発足した。新たな任務を担う中央官庁の新設は38年ぶり。国民の消費を巡るトラブル情報を一手に集め、消費者行政の司令塔になるはずなのだが、初代長官人事などを巡ってスタートから躓いた。
原因は麻生首相。当初、消費者庁は年内発足の予定だったのに麻生首相の一声で前倒しさせ、初代長官に内田俊一・元内閣府事務次官を起用した。
鳩山代表は「なぜ、民主党が政権を取るという時に駆け込みで消費者庁を発足させ人事を決めるのか」と反発。政権移行後、長官人事と一部体制を見直す考えを示した。
また、一昨日には農水省の記者会見で、井出次官と記者の間でこんなやり取りが……
記者「(民主党の農業政策を批判した)6月18日の発言を撤回する考えはあるか?」
井出次官「撤回するとか、しないという話ではなくて……」
記者「するしないですよ」
井出次官「そういう質問にはお答えしかねます」
民主党の農業政策とは『戸別所得補償制度法案』。6月18日の記者会見で井出次官は「手間がかかり過ぎて、現実的でない」と批判した。
これに民主党の岡田幹事長が「農水省は数々の不祥事についてまず正すべきで、それをタナに上げて政党の政策を批判することに違和感を感じる」と不快感を。
小沢代表代行がかつて「色々な手段で官僚によるマインドコントロール状態に国民も議員も置かれている」と指摘したが、いよいよ脱・官僚主導、脱・官僚病へのバトルのスタートか……
その戦い方法について、経済コメンテーターの森永卓郎はズバリ言いたいことを。
「最初が肝心。結婚する時と同じ。トイレで新聞呼んでいいかは、最初のガッツンで決まる。郵政の西川社長人事、消費者庁の内田長官人事をどうするか、強い態度にでないとナメられる。利権にしがみついている人は消えた年金のチェックをやらせたらいい」