<テレビウォッチ>ブッシュ前大統領の娘がテレビのリポーターになるというニュース。彼女のプロフィルを聞いて、「聡明なお嬢さんですね」とみのもんたは評する。
いまどきテレビで「お嬢さん」「お嬢さん方」という言葉はあまり聞かないが、それを幅広い年代の女性に用いるのは、みののトレードマークとなっている。
これは一般的には「おべんちゃら」あるいはギャグであった、聞いてるオバチャン(たち)も言われて悪い気はしないものだ、と了解されている。
しかし一方で、みのは年老いた男性にむかって「お坊ちゃん」などとは呼びかけない。フェミニズム的には、女性だけ若いほうがいいという不公平な性的価値観の表れであり、いい年なのに「女子ども」扱いされるのは心外だと思う人もなかにはいそうだ。
――といった問題も、生真面目に考えれば内包しているのだが、実際にみのが「お嬢さん」を大真面目に、さも騎士道精神の表れでもあるかのように口にする場面に遭遇すると、なんだかドンキホーテ的寸劇でも見たような満足感があり、ついつい笑ってしまう。
文
ボンド柳生