<テレビウォッチ>民主党が公約に掲げてきた「官僚支配からの脱却」。その要となる『国家戦略局』のトップに菅直人の名前が浮上している。そこで番組が、今ひとつ仕事の内容がピンとこない『国家戦略局』とは何?? と取り上げた。
官僚の手のうちにあった国家予算の配分(予算編成権)を政治家主導で行うという漠然とした狙いは分かるし、否定するつもりもない。
だが、年末になれば佳境に入る来年度予算編成作業。政権交代をしたばかりの民主党にそれができるのか……
そこで、「ともかく非常に重要だとは分かるんですが、何をやるんですか?」という小木逸平アナの素朴な疑問から。
これにゲスト出演した民主党の蓮舫が次のように答えた。
「今までは各省庁が積み上げてきた予算を財務省がホチキスで留めて、それを内閣が追認する形で続けられてきた。国家戦略局はまず政治の意志として何に使うかを決めて、各省庁に降ろしていく。だからタテ割り行政の弊害もなくなる。総理直属の組織で、ここが1番の要になる」
この『国家戦略局』の担当大臣に菅直人の名前が挙がっているという。
ジャーナリストの鳥越俊太郎は「官僚を使いながらやれる人をトップに据えないと成功しない。菅さんは旧厚生大臣の時、エイズのファイルを見つけ出し、官僚相手に丁々発止とやった人で、適任でしょう」と。
まだ腑に落ちないという顔で小木が「今後の予算もそうですけど、もう出ている補正予算もここで変えようとなるわけですか?」と、さらなる疑問を。
蓮舫は「15兆円の補正予算のうち基金の4.3兆円はほとんど使われていない。これをどう使うか……すぐに決定させていただく第1段になる」という。
誠に歯切れはいいのだが、その「政治の意思」を毎年行われている予算編成作業のどの段階で反映させるのか、財務省主計局の機能とどう調整するのか。構想だけで具体策がまるっきり見えてこない。
最後に、東京地検検事という官僚の経験もある大澤孝征弁護士が「国家戦略局は分かりにくいから『政策実現局』に変えた方が良い」と、国民の目線で提言を。