<こちら葛飾区亀有公園前派出所>香取慎吾といえば何を思い出すだろう。慎吾ママ、忍者ハットリくん、西遊記の孫悟空……いやー、こうして見るとアイドルらしからぬ体を張ったコミカルなキャラクターが多いこと!
さてそんな慎吾が今年の夏に挑戦するのは、週刊少年ジャンプの長寿漫画『こち亀』のおちゃらけ主人公・両津勘吉である。ドラマ開始前から「ラサール石井はどうしたんだ」「中川や麗子の衣装がひどい」など原作ファンからのブーイングが相次いだが……?
亀有公園前の派出所に勤務する両津勘吉(香取慎吾)が、後輩の秋本カトリーヌ麗子(香里奈)や中川圭一(速水もこみち)と共に起こすドタバタ騒ぎを描くのは原作と同じだが、ドラマは原作にないオリジナルストーリーとなっているようだ。
初回は、借金返済のために両さんが考え出した『神輿レース』を通じて、仲の悪かった下町の神輿職人とその息子の絆が次第に深まっていくという話。警察官なのに口が悪く、短気で儲け話に目がないが、人情に厚く嫌々ながらも結局人助けをしてしまう……そんな憎めない男・両さんのキャラクターがよく分かる1話となっている。
感動したのは親子の絆のストーリー……ではなく、慎吾の体を張った演技の数々だ。
もう、オープニングからスゴイ。子供ダンサーをバックに、やけにハイテンションで踊りまくる慎吾。「おはロック」を彷彿とさせるこのオープニングからは、どうにかして子供の支持を得ようとするテレビ局の思惑が見え隠れする。
さらに、テレビ局に『亀有活性化計画』として賞金付きの神輿レースを提案するシーンでは、原作の両さんに忠実であろうと芸人張りのヘン顔を披露! 漫画だからこそ笑える両さんの崩れた表情も、なまじ顔が整っている慎吾が演じると痛々しくて胸が苦しくなります。
元祖両さん役のラサール石井も両さんの父親役として登場したのだが、やはり声も姿も行動もこちらの方がしっくりくる。ラサールと慎吾が共演しているシーンを見て、「やっぱりラサールの方が両さんに合ってるよね」なんて思っちゃう視聴者はたくさんいるはず。このキャスティング、慎吾にはちょっと酷だったんじゃないの?
何はともあれ、まだ1話が終わったばかりですので。原作ファンとしては、GIジョーやサバイバルゲームなど大人向けのコアな話も盛り込んでくれないかな、と期待しとります。<テレビウォッチ>
じょん