これが日本人記者だったら… クリントン訪朝の思惑と実力

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   <テレビウォッチ>クリントン元米大統領が北朝鮮を電撃訪問、北朝鮮に拘束されている米テレビ記者2人を連れて帰った。

   カヤの外に置かれたままの日本の拉致問題に比べ、外交力の差というか国力の差を感じ絶句したくなるが、番組では森永卓郎(独協大教授)の気になる発言も……

   クリントン訪朝は北朝鮮にとってよほどうまい話だったのだろう。満面笑みを浮かべた金正日総書記と緊張気味のクリントンのツーショット写真が日本時間の昨日(8月4日)22時30分、北朝鮮のテレビで放送された。

   北朝鮮事情に詳しい重村智計(早稲田大教授)は「金総書記は嬉しそうな表情ですから、会談は非常によかったのだろと思う」と。

   クリントン訪朝の目的は、今年3月に中朝国境で取材中、北朝鮮当局に拘束された中国系米人記者、ローラ・リン(32)と韓国系米人記者のユナ・リー(36)の釈放。

   案の定、当初は強気だったクリントン国務長官も「事件が起きたことは非常に遺憾に思います。2人に恩赦が与えられることを望みます」と。

   重村は「クリントン長官の『非常に遺憾に思う』は朝鮮語で『ごめんなさい』という意味。これでメンツが保てた。

   しかも、元大統領が来たのはカーターに次いで2回目ですから北朝鮮にとってみれば外交的に大勝利。同時にこれをきっかけに米と接触を始めたいという意図が裏にあった」とみる。

   では、裏で何が話し合われたのか。ワシントンでは、クリントン元大統領が包括的な見返りを用意していったのではないかという懸念も出ているという。

   さてスタジオ。森永卓郎が「すごく思うのは、記者2人を連れて帰るためにアメリカはリスクを背負い、メンツも捨てた。アメリカは同盟国なんだから、拉致被害者を戻すためにこれくらいの動きをしてくれてもいいんじゃないかと思う。やろうと思えばできたはず」。

   しかし、今回の米人記者2人は事実、国境を越え不法入国したのだろう。だから謝罪せざるを得なかった。拉致被害者は北朝鮮が日本の領海を越えて暴力で拉致していったのと根本的に違う。

   そこを忘れて、アメリカに頼み「非常に遺憾に思う」では独立国のテイをなさないのでは……

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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