<テレビウォッチ>いつもは太田光総理(爆笑問題)らがユニークなマニフェストを掲げ、それについて議論するこの番組。今回は衆院選に向けて各政党のリアルマニフェストが出てきたのに合わせて、マニフェスト関連のマニフェストが登場した。「マニフェストを実現できなかった党は解散」(太田ソーリ提出)というものだ。
ところが折悪し悪く、番組収録時点で自民党の正式な政権公約が間に合わず、「今後10年で、家庭の可処分所得を100万円増やす」といったソーリ好みの文言は俎上に上らなかった。
「どっちが勝っても…」
今回は王道で進んで行った。番組の常連、自民党の山本一太議員がマニフェストに反対して、ソーリと口喧嘩。山本の言い分は趣旨には「賛成」だが、「解散」は非現実的。政治家として、そういう無責任なことは言えないのである。
賑やかしのグラビアタレントやお笑い集団は入れ替わり立ち替わり――お気に入りがあるらしく、しばらく出続けるのもいるが、いつの間にか姿を消している――主要政治家軍団や評論家衆は顔ぶれがあまり変わらない。政界は芸能界にくらべて人材不足のようだ。
このごろはマニフェストのテーマも政治続きとなれば、ループ感は否めない。もしソーリが無責任な立場でこの番組を見てたら、「いつ見ても同じようなことやってやがる。もうヤメちまえ」などと極論するかもしれない。だが、ソーリ自身はこの番組を「良質なバラエティ番組」と自負している。責任ある者はツラいのである。
さて、今週のソーリのハイライトは、政治評論家の有馬晴海が「(自民・民主の)どっちが勝っても、わりと早い時期に政界再編が起こるんじゃないか」と選挙後を予測したときだった。選挙結果で烏合集散ならぬ離合集散されては、選挙前のマニフェストは雲散霧消。それじゃあマニフェストの意味ない、とソーリは憤る。「(再編なんてするつもりなら)いっそのことマニフェストなんてやめちゃえば!? むしろ、『これはカケです、今後どうなるかわかりません』と言ったほうが、まだ正直な気がする」
結局、小さな国会ではマニフェストは可決された。その後は、該当のマニフェストをリアル国会に陳情するのが番組の慣わしである。これまでの実現度は如何ほどか、それも気になるところだ。
ボンド柳生
* 太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)