「1番の原因太平洋高気圧が弱いこと」
しかし、なぜ九州北部や山口県に限って湿った空気が続々と流れ込み、積乱雲を次々発生させて集中豪雨をもたらしたのかという疑問がわく。
加藤主任研究官は「1番の原因は太平洋高気圧が弱いことにある」という。
例年なら、今頃、太平洋高気圧は大きく張り出して梅雨前線を押し上げ、梅雨明けとなって猛暑をもたらす。
しかし、今夏は太平洋高気圧が弱く、梅雨前線を押し上げる力がない。したがって梅雨前線が日本列島に居座る形になっている。
そこへ太平洋高気圧の淵を回るように、九州北部や山口県あたりに暖かい湿った空気が流れ込んだ。しかも、その上空に低気圧の移動で寒気が流れ込み積乱雲が発生しやすい状態だったという。
気になるのは夏本番の時期を迎えて、これからどんな夏になるのか? 国谷も「不安定な気象が続くのでしょうか?」と。
加藤主任研究官のその答えが冒頭に示した気象庁のショキングな予側。「太平洋高気圧がはっきりしなくなると、気圧配置によっては、南の太平洋上からくる暖かく湿った空気がどこから入ってくるかわからない状態になる」という。
もはや「平年値」とか「例年では」といった統計的な気象手法では測れない時代になってきたことは確かなようで、ゲリラ豪雨や竜巻が今度はどこで発生するのか心配の夏になりそうだ。
モンブラン
* NHKクローズアップ現代(2009年7月29日放送)