<テレビウォッチ>「太平洋高気圧が現在の『弱い』状態から、今後は太平洋高気圧が『はっきりしなくなる』可能性がある。
そうなると大気がもっと不安定になり、局地的なゲリラ豪雨や竜巻が起き、北日本を中心に気温が低い状態が続くと気象庁は予測しています」
「初めての経験」
福岡県では1時間に100ミリを超える猛烈な雨を各地で記録。山口県防府市では、1か月分の降雨量とほぼ同量の雨がわずか半日で降り、土砂災害で老人ホームの入居者などに犠牲者が出た。
例年なら、すべての地域で梅雨明け宣言が出され、夏本番を迎えているはずだが、沖縄や関東地方を除くほぼ全域でまだ梅雨は明けていない。
番組によると、この異常気象は福岡管区気象台の担当者でさえ「初めての経験」で、当初これほどの集中豪雨になるとは判断していなかったという。
7月24日6時に出した予報では雨の量は1時間に40ミリ程度。それも積乱雲の移動によって雨はじきに弱まると考えていた。
しかしその直後、予想外の事態が起こり始める。予報の2倍以上、1時間に100ミリ以上という激しい雨が降り始め、3日間も続く記録的な豪雨となった。
福岡管区気象台の担当者は「種々のデータを加味し、総合的に1時間40ミリと判断した。経験のなかで初めてに近い経験だった」という。
専門家ですら予測困難だった未曽有の豪雨。日本列島上空で一体何が起き、どんな夏になるのか??
キャスターの国谷裕子が「時間100ミリは非常に怖い。なぜ発生したのでしょうか?」と。これに気象庁・気象研究所の加藤輝之・主任研究官が次のように答えた。
「通常の積乱雲は、暖かい空気が寒気に流れ込むと、寒気の上を乗り上げる形で発生する。雨を降らせながら1時間ぐらいの寿命で一生を終えるが、その場合たかだか20ミリ程度の雨しか降らず、集中豪雨にはならない。
ところが、集中豪雨が起きる時は積乱雲の発生の仕方に特徴がある。バックビルディング形成と呼ばれるもので、暖かい湿った空気が次々と流れ込むと積乱雲が次々発生、同じ場所で連続して雨が降り集中豪雨になる」