<テレビウォッチ>豪雨による土砂災害に遭った山口・防府市などでは、8人が死亡、9人不明。なかで、5人の死者と不明2人を出した特別擁護老人ホーム「ライフケア高砂」は、一夜明けてもホームは川の本流状態のまま。
みのもんたが、「まだ水が流れてるの?」と驚くが、現場の米田やすみは「そうなんです」というだけ。一帯は花崗岩が風化した「真砂土」とよばれる脆い地盤で、1時間70ミリという豪雨で一気に崩れたものらしい。米田は手のひら大の石をとりあげ、「こんな石がごろごろ流れているんです」
土石流に見舞われたときの様子もわかった。昼食は1階と2階にわかれていたが、1階にまず水が、続いて土砂が流れ込んだ。1階には45人がいたが、水は車いすのお年寄りの胸のあたりにまで達し、流された人を職員がもぐって助け上げるような状況だったという。
ここで3人が亡くなり、不明4人のうち2人は、早く食事を終えて自室にもどっていて土砂に埋まったもの。あとの2人もその可能性が高いというが、1階奥では、土砂が天井まで20-30センチにまで達しており、捜索は難航している。
ホーム近辺は、土砂災害危険地域に指定されており、今2009年から砂防ダム建設の調査が始まるところだった。県のホームページの「危険箇所マップ」にも載っている。
当日は、7時40分に県から防府市に「警戒情報」が入ったが、市は避難勧告を出さなかった。勧告を出したのは、土石流が起こってから5時間後。危機感が薄かったのと、それ以上に雨が凄すぎたのか。
みのが、「危ないから出すんだろうに」
柴田秀一が、「70ミリの雨というのは珍しいですからね。保水力を超えていた」
みのは「亡くなった方は、窒息だったと。つらかったでしょうね」
米田のレポートで、ホームの裏山で工事が行われていたという。県の担当者が、「地下水路の暗きょと農道」といっていた。それを聞いて、あらためて上空からの映像を見て、ようやくわかった。ホームのすぐ上流から川は暗きょになってホームを迂回していたのだった。
暗きょというのは、小さな流れだから可能なもの。そこへ滝のような土石流ではたまらない。いまは全部埋まってしまい、だからホームが本流になっているわけだ。そんなことまで考えさせるなよ、まったく。