<テレビウォッチ>麻生首相は『黒い霧解散』の再現を夢見ているらしい、番組はそういう見立てのようだ。
政界でさまざまな不祥事がつづきピンチに陥った佐藤栄作内閣が、1966年12月、解散に打って出たのが『黒い霧解散』だ。結果は、与党劣勢の予想を覆して自民党が勝利する。もっとも、このときは自民党が勝敗ラインを低く設定し、数を減らしながら『勝った』のが実際と専門家はいう。今回の勝敗ラインは与野党とも過半数だろうから明快だ。
若一光司は「あのころは国民の経済が成長期でよかった。生活の心配はなく、このままでいいという選択もあった。今とはまったく違う」と話す。
鳥越俊太郎も「選挙制度も小選挙区制に変わって僅差で負けることがある」と言う。『黒い霧解散』のときよりも自民党に吹く逆風は強いということだろう。
番組によると、解散から総選挙までの平均日数は29日だそうで、今度の40日は長い。
「この40日間、麻生首相は何をするのでしょう」という佐々木亮太アナの問いに、三反園訓は「遊説にかけるしか手はない。遊説すれば『黒い霧解散』のように勝てると思っているかもしれない」と答え、「今日(7月21日)夕方行われる記者会見がポイント」とした。
『郵政解散』の際、当時の小泉首相は記者会見で国民の心を打ち、自民党を圧勝に導いた。『命名なき解散』(三反園)で、麻生首相は何を国民に訴えてくれるのだろうか。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト