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<ウルヴァリン:X-MEN ZERO>拳に鋼鉄の爪を持ち、驚異的な治癒能力と、動物のように何かを察知する力を持つ男・ウルヴァリン。『X-MEN』シリーズ通しての主人公であるキャラクターだが、彼には記憶が無い。そのためウルヴァリンの過去は謎に包まれてきたが、本作でいよいよ彼の生い立ちが明かされる。
今回監督を務めたのはブライアン・シンガーではなく、ブレット・ラトナーでもなく、『ツォツィ』のギャヴィン・フッド。アクション映画を得意とする監督が起用されなかったのには、この映画を単なるアクションをメインとした作品にするつもりはないという意向があったからだろう。そもそもヒュー・ジャックマンは『ツォツィ』を見たことで、ギャヴィン・フッドこそこの映画の監督にふさわしいという確信を持ったようである。確かにこの映画は、あくまでウルヴァリンの内面に重点を置いており、これまでの『X-MEN』シリーズとは別の趣向を凝らした作品になった。愛する人を奪った兄や、自分を裏切った組織への憎しみ。内に潜める善と悪との葛藤や、ミュータントとして生まれたが故に背負ってしまった運命。ウルヴァリンが抱えるそれらの苦悩といったら……! 本当にもう、かわいそうになってくる。
もちろん、悩めるヒーローの内面ばかりネチネチと描いているわけではない。追跡劇や爆破、それに汗がほとばしるような肉弾戦。アクションだって期待を裏切らないのだ。ストライカーによって集結された『チームX』の個性豊かなミュータントたちは、それぞれの能力に応じた戦い方がさまざまで、見ていてとてもワクワクする。そしてなんと『あの人』が登場するサプライズも! 妙に若々しい姿がおかしいが、そこはご愛敬。なんたって老いは隠せない。
本作の見所は他にもある。それはなんといってもウルヴァリン演じるヒュー・ジャックマンの肉体美! 40代を迎えても衰えを感じさせず、加工処理なんて必要ない、見事な上半身。その鍛え上げられた勇姿にホレボレして下さい。さらに全裸で農場を突っ走るヒュー・ジャックマンの姿も拝めるので、お見逃しのないように。
『X-MEN』を見たことがない人でも安心して十分に楽しめる。逆に本作をキッカケにシリーズを見始めたり、見直してみたりするのも面白いかもしれない。ただ『X-MEN』にしても、この『ウルヴァリン』にしても、いまいちヒロインが記憶に残らないのはなぜなのか……。公開は9月11日だ。<テレビウォッチ>
ジャナ専 巴麻衣
オススメ度:☆☆☆☆