<テレビウォッチ>7月12日の東京都議会選挙は民主党が圧勝したものの、少なからぬ『政権交代チルドレン』を誕生させた気配があり、行く末が少々、案じられる。
そういえば、2005年の郵政選挙でも多くの『小泉チルドレン』が生まれた。解散総選挙を前に、2期目を目指す彼らは現在どうしているか、を番組は伝える。
ひとことで言えば、もがいている。ことに比例単独組の人は厳しい現実にさらされているようだ。名簿の上位に列せられるとは思えない上に、自民党には強い逆風が吹いている。
「いまのところ小選挙区はないままでございます」(猪口邦子議員)
「私の身分はまだ決まっておりません」(長島忠美議員)
「(比例区下位の処遇で)評価が低ければ(選挙には)出ません」(安井潤一郎議員)
口をついて出るのは不安、不満である。大下英治(作家)が指摘するように「(小泉チルドレンによって)いちばん恩恵をこうむったのは、安倍、福田、麻生政権。3分の2の議席で法案を通してきた。小泉チルドレンに足を向けて寝られない。感謝しなきゃいけない」にも拘わらず、使い捨てにされる可能性がかなり高い。コメント陣の見方はこうだ。
鳥越俊太郎「人生が狂ってきちゃったんじゃないかと思う。猪口邦子さんは学者の道を歩めばよかった。政治家としてあまり合わない」。
吉永みち子「小泉郵政解散のツケが、国民だけじゃなく、この方たちにも回ってきている。これから先の人生を、淘汰のかかる中でどう設定し直そうとするのか」。
やくみつる「議員に見切りをつける方もいれば、返り咲こうとする意図をお持ちの方もいる。地元に密着した行動なりをとって、議席を失ってもそういうことを考えるしかない。多くの議員がそういうことを経てやってきたわけだから」。
彼らにとって『長く熱い夏』はまだ始まったばかりだ。