<テレビウォッチ>参院で可決された改正臓器移植法。解散含みの波乱の国会の中で参議院の審議はわずか17時間、結論を急いだ面は否めない。
様々な課題がまだ残ったままで、施行までの間に解決すべきことが多いと番組が取り上げた。
現行法では、臓器提供できるのは15歳以上で、臓器提供するときのみ脳死は「人の死」とされてきた。
改正臓器移植法では、年齢の制限を取り払い15歳未満でも臓器提供ができるようになった。また一般的に脳死を「人の死」としている。
しかし、爪や髪の毛が伸び、心臓の鼓動が聞こえる子供の脳死を「人の死」と判定できるのか?
施行は公布から1年後だが、東京医科大学病院救命救急センター長の行岡哲男医師は、この間のやるべき課題として次の点をあげた。
・現行の大人の脳死判定基準とは違う、子供向けの脳死判定基準を新たにつくる必要がある。
・移植コーディネーターの増員・育成
・「提供したい」という意見も、「提供したくない」という意見も、ともに尊重できるシステム作りが必要だ。
キャスターの小倉は「日本国内で何とかしなければならない現実があるわけですが、ただ自分の子供がどちらかの立場に置かれたら考えが変わるでしょうね」と。
Newsweek日本版編集長の竹田圭吾は「いくら国会で審議しても結論は出ないと思う。取り敢えず今困っている方を救うために(改正法案が)可決されたのはかまわない。施行までの間に課題を一つひとつ潰していけばいい」と。
竹田は、人の生き死にの基本的な問題が残るようで「ただ、脳死を『人の死』と決めてしまうのは、人の死生観に立ち入り過ぎる気がする」と。