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<チョコレートファイター>2004年日本公開の「マッハ!」で「ノンスタント、ノンワイヤー、ノンCG」のキャッチでアクション映画界の話題をさらったピンゲーオ監督の最新作が登場。心に傷を抱える少女、ゼンとタイマフィアの戦争がメインテーマだ。日本人とタイ人のハーフとして生まれた彼女は母を知るが、父は知らない。その父親役には阿部寛が登場。これは1人の少女が抱える傷と両親の間に生まれた、真剣な愛の物語でもあるのだ。
タイトルの「チョレートファイター」とはゼンが発達機能障害を抱えるゆえ、甘いもの以外に興味を持たず、チョコレートが大好物で劇中では色付きのチョコレートしか食べないため名づけられた。ゼンを演じるジージャーは実際には20代半ばというが少女という設定に違和感はない。障害がある役という点も実にうまく演じている。
ピンゲーオ監督の生み出した、新たなアクション女優の彼女は、タイ出身ではあるが、ムエタイのスタイルに囚われない、打撃点の高いテコンドーの動きが得意だ。そしてこの映画のストーリーのすべてはジージャーが格闘技に目覚めていくための土台に過ぎず、悪漢どもを蹴散らすジージャーに圧倒されること間違いなし、そのアクションを語るには「百聞は一見にしかず」である。
アクションシーンでもっとも危険かつ、興奮したのがラストの戦場。それはいままで注目されることもなかった、香港などでよく見る看板が突き出ているビルの壁。あまりの怖さに、撮影現場が凍りつくのではないかと思うほどの想像を超えたハラハラがある。ただのノンスタントモノとは一線を画する、すごいアクションヒロイン映画の誕生だ。
ユウ・ミサト
オススメ度:☆☆☆☆