<テレビウォッチ> 「終始ニコニコ顔で得意の外交をアピールしましたが、はたしてその成果は??」と、麻生首相のイタリア・サミットを取り上げた。
日本ではほとんど見せない満面の笑みに、派手なジェスチャー。写真撮影では、他の首脳が渋いダーク系なのに1人だけシルバーグレーのスーツで、左端にもかかわらず目立っていた。
このはしゃぎ様なら何がしかの成果が? と期待したのは浅はかな了見だった。
7月9日行われたロシアのメドベージェフ大統領との会談。5月に来日したプーチン首相が「(サミット時に)大統領が領土問題を話す用意がある」と述べ、新提案が期待されていたのだが……
結果は提案なし。逆に、北方領土はロシアにより不法占拠されているという麻生首相の国会答弁や「我が国固有の領土」と明記した「改正北方領土問題等解決促進特別措置法」を批判され、成果ゼロ。
では、同盟国アメリカのオバマ大統領なら……。外務省は1時間程度の会談を持てるよう調整していたのだが、結果は25分ほどの立ち話。
それも外務省筋は「会談は25分行われた」と公表したが、アメリカの外交筋は「あれは会談ではなく、会話でした」と厳しい指摘を。
しかも小倉キャスターが「25分間いっぺんにやったのではなく、15分と10分の間にレセプションが入った。しょせん会話だよね」と、追い打ちを。
最後に小倉が「各紙の論調を見ても、(首相のサミット外交は)点数がつけられない状況のようですね」で締めとなった。
麻生首相には来週明けから自らのクビがかかった「修羅場」が待っている。サミットは修羅場の前の単なる息抜きの場だった。