「民主政権」どうなる景気・安保 「ポスト」骨太特集の出来映え

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   今週は、現代、ポストを10倍楽しむ方法をお教えしよう。今週号ではなく、来週月曜日発売の号についてである。

   なぜなら、日曜日には東京都議会選挙があり、月曜日にはその結果が判明し、自民敗退なら麻生首相の即刻辞任もありうるからだ。

都議選結果どう予想し斬るか

   だが、両誌とも、いつも通りなら木曜夜が最終校了。さて、都議選後の政局をどう読んで、どんな特集をつくるか、編集長の腕の見せ所である。

   大方の予想は自民党大幅減だが、そうならば、「自民惨敗で舛添首相擁立へ」、または「自民土壇場の麻生下ろしで始まる舛添要一VS.石原伸晃バトル」とやるのか、麻生首相が開き直って「破れかぶれ解散」に持ち込むことができるのか。どちらにしても、来週始めに政局が一気に動くことは間違いないが、さて、どう読んでくるか、楽しみだ。

   今週のポストは、民主党政権樹立間違いなしとして、「民主党政権『3ヶ月後のニッポン』明と暗大予測」と、7つの観点から、民主党の政権担当能力を検証している。

   景気と株では、民主党が掲げる「子ども手当」は、中学生以下の子ども1人当たりに月額2万6000円を4か月に1回支給するというもので、該当する子ども2人がいる家庭では、年間60万円以上のボーナスとなる。

   それに「高速道路の無料化」や「高校の実質無料化」「ガソリンの暫定税率廃止」もあるから、消費拡大へ結びつき、日経平均株価は1万4000円もあるとする。

   年金問題は、ミスター年金・長妻昭厚生労働相でもたいした期待はできないが、派遣社員の正規社員並み給料の実施で、正社員との「新・階級闘争」が勃発する。

   天下り廃止など、おおむね評価は高いが、外交・安保に関しては、党内や連立相手との違いが目立ち、一旦有事の際、混乱して対応できないのではないかと危惧している。なかなか骨太の特集である。

   新潮お得意の「国会議員の愛人スキャンダル」。今回のターゲットは山崎正昭・前自民党参院幹事長で、彼と25年も夫婦同然に付き合ってきた女性が、子どもの認知をしてくれと訴えている。

   しかし、いかんせん主役が地味すぎるし、前回の「鴻池官房副長官のW不倫」のような歯切れもないから、暇を持て余している御仁は、読んでみたらいかがかという程度。

   新潮の6月11日号「『新聞業界』最大のタブー 『押し紙』を斬る!」によって名誉を傷つけられたとして、読売新聞東京本社、大阪本社、西部本社の3本社が7月8日、新潮社に、5500万円の損害賠償や謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こした。

   押し紙の有無ではなく、それによって不当な利益を得ていたというところが告訴の論点になりそうなのと、5500万と意外に少ない損害賠償請求額が気になるが、裁判で、押し紙の実態が明るみに出るのか、注目だ。だが、同じように書かれた朝日や毎日は、なぜ訴えないのかね。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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