食べたい!元祖カレーパン 「生」誕生秘話とそのゲット法

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   突然ですが、カレーパンっていつ誕生したかご存じですか? それは、今(2009年)から82年前の1927年。関東大震災に見舞われた東京の下町で、先代から受け継いだパン屋をなんとか建て直そうとした、1人の職人によって生み出されました……。

   と、今回のグルメガイドは「あのメニューの元祖のお店」特集。注目したのは「元祖カレーパン」。今でこそ、日本中どこのパン屋さんでもつくられている定番メニューとなったカレーパンですが、その「元祖」とはどのようなもの? リポーターは、英玲奈、谷ちあき。

1日1000個の売り上げも

森下商店街サイトのカトレア紹介ページ。カレーパンがずらりと…
森下商店街サイトのカトレア紹介ページ。カレーパンがずらりと…

   カレーパン。その生みの親に当たるお目当てのお店は、都営地下鉄森下駅A7口からすぐのところにある「カトレア」。赤いひさしと「元祖カレーパン」と書かれたのぼりが目印。地元に愛されているパン屋さんといった趣のこじんまりとしたお店ですが、遠方から買いにくるファンも多く、「元祖カレーパン」は普通の日で1日700個、多いときにはなんと1日1000個も売り上げるのだとか。

   まずは、その味を確認。番組内では、「元祖カレーパン」は7時・9時・11時・15時と1日4回揚げ上がると紹介。ちょうど揚げたての「元祖カレーパン」に出会えたリポーターの2人は、お店の中で口いっぱいにほおばって……

   谷ちあき「さっくさく」

   英玲奈「カレー落としちゃいそうなくらい、いっぱい入ってる」

   とご満悦。だって、このカレーパンは単に「元祖」というだけではなく。具となるカレーは、人参、タマネギなどの野菜をたっぷり入れて優しい味わいにつくり、じっくりと一晩寝かせたもの。それを、贅沢にも生地の2倍の量をたっぷり包み込み、植物油で揚げてカラッと仕上げたという自慢の一品なんです。

   この放送を見て黙ってはいられなかった、カレー好きの筆者。その味を自分の舌で確かめようとお店に向かいました。時刻は17時30分。都営新宿線を降り、急いで森下駅からお店に駆け込みましたところ……、ないっ! 「元祖カレーパン」どころか、棚にはパンが2つ程しか残っていないではありませんか! 取材の旨を伝えると「もうみんな売り切れちゃったんですよねぇ」と「カトレア」の中田社長。

   日によって変動はあるものの、15時頃に揚げられた最終便の「元祖カレーパン」は、17時前にはもう売り切れてしまうのだとか。さすがの人気商品。失意の中にいる私に「先程お電話いただいたときに、予約いただいていればねぇ。実はね、電話で取り置きができるんですよ」とさりげなく教えてくれた中田社長。それから、カレーパンの誕生秘話を……

   そこで伺ったのが、上記の話。1927年、カレーパンを生み出した1人の職人というのが「カトレア」前身のパン屋、「名花堂」2代目の中田豊治さん。お店をたて直すためにも何かハイカラなパンがつくりたいと考えた2代目が、アンパンにヒントを得て、パンの中に当時に人気の高かったカレーを入れたらどうかと考えたのがはじまり。それを、これまた人気のあったカツレツのようにと油で揚げたことから、今のカレーパンのスタイルができあがったそうです。カレーパンがあの楕円形をしているのも、実はカツレツの姿を思い出させるようにというこだわりからきたものなのだとか。このカレーパンが「名花堂」発祥であることは、「洋食パン」という名で実用新案にもしっかりと登録されています。

   中田社長に伺っている数分の間にも、「元祖カレーパン、まだありませんか?」と言いながらお店を見回し、ほぼ全て売り切れてしまっている棚を見て残念そうに帰っていく主婦の方がちらほら。「私も食べられなかったんですよ……」と、心の中で勝手に切ない思いを共有しながら、話としてだけではない「元祖カレーパン」の人気ぶりをつくづく感じたのでした。

早稲田大学 綾リィ

* TBS系「王様のブランチ」(2009年6月27日放送)

カトレア
江東区森下1-6-10
TEL  03-3635-1464
(営業時間)
平日 7:00~19:00
祝日 8:00~18:00
定休日 日曜日・祝日の月曜日
(気になるメニュー)
元祖カレーパン 168円
ふんわりクリームパン 158円

●紹介された他のお店
玉ひで
中央区日本橋人形町1-17-10
TEL  03-3668-7651
(気になるメニュー)
元祖親子昼膳 3900円

ホテルニューグランド ザ・カフェ
横浜市中区山下町10番地
TEL 045-681-1841
(気になるメニュー)
クラブミートコロッケ 2079円

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