<テレビウォッチ>総選挙を目前にして、狙いのはっきりしない閣僚補充人事が7月1日行われた。
追い風にしたいはずの党役員人事や騒がれた東国原宮崎県知事の「サプライズ人事」もなく、むしろ逆風が強まっただけ。
スタジオでは、今後麻生首相を待っているのは「やけっぱち解散」か「引きずり降ろし」のどちらかという声も……
麻生首相は閣僚補充人事が発表された後の記者会見で、党役員人事を見送ったことについて聞かれ次のように述べた。
「私の口から党役員人事をやるという話をただの1度も、1言も聞いた人はいないと思いますけど。違いますか?」
しかし、前の日には記者から「党役員人事と内閣改造人事は一体で行うと考えているのか?」に「しかるべき時にしかるべき方法を前から考えていました」と話していた。
「誰が、何時シナリオを書き変えたのか」(ナレーション)と、画面に登場したのが森喜朗元首相。
その森元首相に6月30日夜、都内のホテルで「今から党役員人事をやってもマイナスのほうが多い」と説得され、断念したのだという。
首相たるゆえんの最大の特権は「人事権と解散権」だが、その人事権を行使するにももはやままならない事態。解散について自ら絵も描けない手詰まり状態。残されているのは「やけくそ解散」(政治アナリストの伊藤惇夫)という厳しい見方も。
スタジオでもキャスターの小倉が「このまま解散なら惨敗は目に見えているわけでしょう」と。
呼応してタレントの眞鍋かをりが「自民党的には、(麻生首相を)引きずり降ろす形で新しい人を、しか手がないのでは……」。
さらに慶大教授の福田和也は「解散するしかないんでしょう。サプライズでやっても勝てない。良い負け方をするにはどうすればいいかだけなんでしょう」。
もっとも四面楚歌の麻生首相に同情の声も。小倉が「麻生さんだって、よほど腹に据えかねていると思う。麻生しかいないと言っておきながら、このザマ何だと、ふざけるなと、オレが解散してやるぞ~ぐらいの気持があってもおかしくない」と。