<テレビウォッチ>自分も楽しみながら、人生を変えて、世界の人々とハッピーを共有していく。そんな素敵なことが出来たなら……
肌にまとわりつくような小雨がジトジトと降る日曜日、六本木へあるライブイベントへと出かけた。それは、夏木マリとパーカッショニストの斎藤ノブのカップルが立ち上げた、「One of Love」というプロジェクトのキックオフイベント。会場は多くの報道陣や、ミュージシャン、俳優などが集まり、関係者のみのイベントだが、熱気でムンムンとしている。ステージへ2人仲良く手をつないで登場し、彼女はこう宣言した。
途上国の子供たちをサポート
「One of Love」というプロジェクトで、社会起業家としてスタートすると。
社会起業家。このところ、関連する番組も誕生し認知度も高くなった、社会問題をボランティアではなく事業で克服していく活動。
では、彼女たちの活動はと言うと……
そもそも、途上国の子供たちと何かを共有したいと、音楽を通じて交流する旅をしていた2人。解決策はエチオピアで出会った美しいバラにあった。バラの販売を通じて、子供たちをサポートしていくプロジェクトを作ることを思い立ったのだ。
まずは、日本の生花店とタッグを組み、国内で販売をしたバラの収益金の15%をプロジェクトの資金とし、また最新の電子名刺、POKENの売り上げの10%もプロジェクトの支援金にしてもらうよう賛同を得た。
そして、将来エチオピアにバラ園を作り、現地人を雇用することで、自立という支援を行っていく計画だ。
子供たちの出会いからなぜバラに発展しているのか? それは、彼らの親たちに就労機会を増やすことで、子供の教育、生活を充実させ、いつの日か子供たち自身の仕事にもなる、という壮大な幸せのサイクルを願ってのこと。
以前から途上国の子供の支援を続けていた夏木マリだが、このプロジェクトに関しては、「これは私たちの一生のセッションになるでしょう」と語る。
いたるところにバラが飾られたイベント会場で、感銘を受けた言葉がある。
「なによりも、自分たちが楽しかったんです」
夏木マリがサラリと言った一言。
チャリティーがなかなか定着しない日本で、著名人による慈善活動は、むしろ義務的な要素すら臭わせる。しかし、彼女は堂々と言い切った。配布された資料にも、「自分たちが幸せにならないと、誰かをハッピーにすることなんてできないから」と書かれている。それが、続けることの秘訣であり、動機であると思う。自らが楽しんで世界の仕組みを少しずつ変えていく。
まだ産声を上げたばかりの活動だが、これからより一層注目をされる社会起業家に、日本の芸能界でいち早く取り組んだ彼女たちに心動かされた夜だった。
モジョっこ