(C)2009ハイキック・ガール!パートナーズ
<ハイキック・ガール>女子高生、土屋圭は自ら身につけた技で敵を倒し、強さを証明することだけが目標の空手少女。彼女は自分が巻いている茶帯よりひとつ上の黒帯欲しさに大学生相手に「黒帯狩り」を敢行し、圧倒しては優越感に浸っていた。
だが師範の松村は圭を非難する。「強くなるためだけが空手じゃない」と。だが地味な型稽古 ばかりさせられ、自由のない退屈な動きは「実践で役に立たない」と圭は主張する。ある日「壊し屋」と呼ばれる武力集団にスカウトされ、幼馴染のリョウスケとともに試験会場に行く。だが圭はそこで重大な罠にかかっていることにも気づかずに暴れまわるのであった。
「ハイキック・ガール」はその名のとおり、女子高生がハイキックやパンチを出し、ガチで空手をする映画。中身は真っ当で、「型は本当に役に立つのか?」「役に立たなかったらどうするのか?」という空手にとって、一大事のテーマをワイヤーもスタントもなしで本気で演じて見せた作品である。スローで演技を何度も再生してくるのが特徴で、途中でうんざりしてしまう側面もあるが。空手アクションはすさまじく、見ごたえがあるものの、ヒロインの人物像がややリアリティに欠けている。
というのは彼女は空手のことしか考えていない。普通の女子高生から逸脱しているのだ。親しい友人はリョウスケのみ、家族構成も謎でどこの高校に通っているのかも不明。誰か好きな人が……なんて考える余地もない。もしかしたらリョウスケや松村との間になにか特別な感情があるかもしれないが、やはり普通の付き合いとは一線を画くすのだろう。
圭は真の強さ以外に何も興味もなかったので、少し呆れてしまった。だが松村に助けられ、自らも強くなることでリョウスケや周りといままでとは違った関わり方をするかもしれない、と期待したいのだが……。<テレビウォッチ>
ユウ・ミサト
オススメ度:☆☆