<テレビウォッチ>ゴミ山を囲むようにトタン屋根の家というかゴミというか、まさにスラム街の中のスラム街……5歳未満の死亡率世界1という西アフリカのシエラレオネ共和国。
チャリティーキャンペーン『貧困』の企画で現地を取材した中野美奈子アナが、想像を超えた貧困を報告しながら涙を流し、声を詰まらせた。
人口550万人、面積はほぼ北海道と同じ。ダイアモンドの産出と農業がおもな産業というのだが、(10年間続いた内戦が終わり7年が過ぎたのに内戦の爪痕が歴然と残る。
中野がまず訪れたのは首都フリータウン。車から降りて繁華街の雑踏を歩き、カメラを向けるとおばさんが突然、怒りを露わに。
そのうち大勢の男性に囲まれてしまった。そのうちの1人が言った言葉が胸に突き刺さる。
「これまでいろんな海外のメディアがきて写真を撮っていった。しかし、俺たちの生活はいつまでたっても変わらない。貧しい姿を撮って金もうけしているのが納得できない」
このあと、首都から220キロ離れたケネマという町にある病院の小児病棟を訪ねた。
薄暗い廊下を進むと、傍らに無造作に置かれた子供用ベッド。中に横たわるのは布に包まれた子供の死体だった。霊安室がないのだという。
病室にはいると、ベッドに運ばれてきたばかりの幼児が横たわっている。すると中野の目の前で、女性の看護師が幼児の母親に「あなた相当のおカネを払わないといけないわよ。今持っているおカネ全部渡しなさい」。
そんなやり取りをしている間にその乳児が息を引き取った。母親が号泣しながらこう言った。「あんなにお金払ったのに……」。
この病院は『ケネマ国立病院』。救急患者でも治療費はすべて前払いなのだという。薬や医療器具が満足に揃っているわけではなく、しかも停電で医療器具は使えない状態……
中野は病室にいたたまれず、外に出てしゃがみ込んでしまった。
スタジオでは、キャスターの小倉が「これが国立病院というのは驚く。いきなり『有りカネ全部出しなさい』はむごすぎる」と。
しかし、平均月収200円、病院の入院費は平均500円というから利用できる人も限られる。
中野は「薬はないし、医療器具もないし、あっても停電で使えない。目の前で赤ちゃんが亡くなっていく。何もできなかったのが辛かった」といって声を詰まらせ、目から涙を……
小倉が最後に「1回ダイヤルQ2するだけで点滴10本が買えますので是非ご協力を」で締めた。ダイヤルは、『ダイヤルQ2(通話料315円)0990‐5‐80088』。