<テレビウォッチ>団塊の世代680万人が定年のピークを迎えるなか、60歳代のアルコール依存症が増えているという。悠々自適のはずがなぜ?
久里浜アルコール症センターなど調べでは、60歳後に初めて依存症になった人の割合が、1999年には20%だったのが、2005年23%から年々、 25%、26%、30%と急増。全国で推計80万人というから驚く。
仙台市の東北病院の医師は、「30年前は5%だったのがいま25%。依存症患者の4人に1人が60歳代」という。
64歳の元会社員。46年間家と会社を往復するだけのまじめ人間だったが、この3月31日に退職したら、妻はパートで子どもは独立。ひとりぽっちですることがない。酒を飲んでは寝る生活になって、酒の量もどんどん増えて、ついに4月末に入院した。
元国家公務員の65歳。昨08年8月に退職して9月に入院。11月に退院したが、その後も隠れて飲み続けた。しかし今年はじめ、孫に「酒臭い」と言われてやめた。いま、通院治療中だ。
症状がひどくなると幻覚もある。55歳の男性は「女性がトカゲにみえる。トカゲがしゃべりだすから、店長を呼べなんてね」。また「トイレへいくと花が咲いてる。赤白黄色、きれいだなぁと」という76歳。いずれも断酒会での話だ。
共通しているのは、病気だという自覚がないこと。みな「家族のおかげで助かった」という。酒を飲まないと、手が震える、大量の寝汗をかくのは、依存症の禁断症状なのだそうだ。家族が気づけばよし。気づかないと……さまざまな合併症が待っている。肝硬変、心筋梗塞、脳が萎縮すれば認知症もある。
どんな人がなりやすいのか。医師によると、まじめ、律儀、世話好き、あまり人と付き合うのが上手じゃない、自分を表現できない……などなど、要するに仕事一筋人間が危ないという。
「30代40代のうちから地域の活動に手を染めるとか、もう一足のわらじをはくことだ」という専門家もいる。夫婦で共通の話題をつくることも大事だとも。なにか打ち込むものがあれば、つまり俗にいう遊び人は大丈夫ということか。
横江公美が、「退職して生き甲斐がなくなっちゃうってこと」
末吉竹二郎は、「年齢で強制的に職がなくなるというのは、日本だけ。アメリカなんか年齢制限はない。社会で活躍する場を作ってやることが必要」という。
みのもんたが、「団塊の世代はここ数年のあいだに定年になる。予備軍はまだまだいるということ。女性もいるんでしょうね」
横江が「キッチンドリンカー。女性も依存症になりやすい」
みのは、自己診断のための事項を列挙。「禁断症状に注意」「長期間やめても1度飲むともとに戻る」「合併症の危険」……「女房依存症なんて、いちばん間違いがないかなぁ」(爆笑)
なんだ、それが言いたかったのか。