「ヒーロー」教師の「転落」
文春は、「オール1の落ちこぼれ」から高校教師になった宮本延春氏が、担当の女性編集者と、「手つなぎ『講演』不倫旅行」をしていたことをすっぱ抜いている。
努力して母校の高校で数学を教えるまでになった男が、何冊かの本を書いて、マスメディアからヒーロー扱いされ、いい気になっているところを、そのメディアから、どん底に突き落とされる。よくあるパターンである。宮本氏は、講演でこう語っていたそうだ。「逆境や試練があるということは素晴らしいことであり、それは人間の成長痛と言ってもいい。今日から目の前の辛いことを乗り越えて行けるよう努力できたら素敵だと思います」。何と皮肉な言葉を引用するのか文春は。宮本氏は、マスメディアの怖さが身に沁みただろうか。
このところ、多くのメディアで、幸福の科学という宗教団体が、今度の総選挙に出馬する話題が取り上げられているが、いかがなものかと思わざるをえない。一切取り上げないことで、メディアの見識を見せることも、場合によっては必要なのではないか。
現代の乾智之編集長が今週で交替した。1年半足らずの途中降板は、本人にとっても、彼の編集者としての才能をよく知る私にとっても、残念である。部数低迷、高額賠償など、逆風が週刊誌に吹いている時代だから、彼が思うことの半分もできなかったのだろう。捲土重来を期してもらいたい。