<テレビウォッチ>バン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人初の優勝を成し遂げた全盲の辻井伸行さん(20)に関する情報は連日、伝えられている。今日(6月11日)は孫を見つめてきた祖父母の愛。
産婦人科医の祖父は、孫の目が見えないと分かったとき、「こういう子は必ず生まれなければならない。うちに生まれたのだから、みんなで優しく可愛がってあげなければならない」と言ったという。祖母は、孫のことを「優しくて素直、半面、努力家」と見る。この度の快挙について祖父は「よくやったなあと思いました」、祖母は「半信半疑でした」と話す。
インタビューした原口美紀リポーターによると、祖父母は生まれて間もない孫に、鳥のさえずり、風の音といった効果音のような音楽を聞かせたそうだ。そのことで音に敏感になって行ったのでは、と原口は言う。
番組の後半は、伸行さん作曲の「川のささやき」を1曲すべて聞かせる鑑賞タイム。父と散歩した神田川の光景をイメージしながら作った曲だという。
赤江珠緒が「音の中で遊んでいるような柔らかい気持ちになる」と切り出すと、吉永みち子は「私はクラッシクファンでないので、ピアノの音を聞くと緊張するけど、(伸行さんの)音は舞い降りてくるみたいな優しさがあって、気持ちが寄って行ける感じがする」と語る。
やくみつるは「曲を聴くと、NHKの『名曲アルバム』じゃないけど、その曲にマッチした情景を思い浮かべる。中世の町並みだったり、滔々とした川の流れだったり。彼はどういうふうに心象風景を構成するんだろう。どういうふうに見えるのか聞いてみたい気がする」と述べる。
最後に原口がボードで見せた、伸行さんの凱旋演奏スケジュールはびっしりだった。