<テレビウォッチ>村上春樹の『1Q84』フィーバーに続いて、クラシックではバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した『辻井旋風』が巻き起こっている。
『得もり』で取り上げた笠井アナが「この方々は自慢してもいいですよ」と……
「この方々」とは、6月13日岩手県北上市の『さくらホール』、17日名古屋市の『芸術劇場コンサート』で予定されている公演のチケットを受賞前に買った人たち。
「さくらホール」では受賞前までに900枚が売れ、残り500枚を求め電話は鳴りっぱなしの争奪戦。両公演とも10日には全席完売となった。
東京・銀座の山野楽器でも急ぎ入荷したCDはすぐ売り切れ状態。1日だけで1万枚以上のCDの受注があったという。
まがい物が目立つご時世、皆が心に響く本物を求めている証しなのかも……
その辻井伸行(20)が、帰国後初の記者会見に臨んだ。「目が見えるとしたら?」に「両親の顔が見たいですね。あとは……そう、やっぱり両親の顔。でも、心の目で見ていられるので十分満足しています」と。
「何を両親にしてあげたい?」には、全盲の自分を全力でサポートしてくれた両親の苦労を知ってか、「早くお嫁さんを見つけて両親を安心させてあげたい」とキッパリ。
笠井アナが「親が子供の才能を見出す力は尊敬しますよ」。これにキャスターの小倉が「彼自身が才能を見せたんでしょうね~」。
これを言うなら、「CDが売れている」「チケットが完売」だけでなく母親にインタビューをして欲しかった。
新聞報道によると、辻井は生後8か月の時、ショパンの『英雄ポロネーズ』を聴いて足をバタつかせて喜んだ。
その姿に芸術的感性を感じ取った母親は、積極的に美術館につれて行き、作品の色や形、様子を語ってきかせたという。
全盲のわが子に赤や青の色の違い、その様子をどう表現し、心の目で見ることができるようにしたのか聞きたかった。